第9話
私は知美に返事を送ろうと思った。
でもその前に、『たかし』からのメールを開く事にした。
<<綾ちゃん、メールありがとね!バイトの休憩中に見たんだけど元気出たよ(笑)またメールしてね。いつでも待ってるから!>>
・・・軽い男。
ついさっきまで『たかし』にはまりかけていたのに、何だかもう冷めていた。
こんなメールだって何人の女の子に送ってるんだか・・・。
『たかし』にはまりかけていた自分が恥ずかしく思えた。
『たかし』からのメールを閉じ、『知美』からのメールを再び開いた。
知美に返事を打った。
<<ホント早起きしたね(笑)アタシその時間爆睡してたよ!てか遊びに行きたいね〜。みんな勉強勉強言ってるけど、息詰まりそー。あ、そいえば隼人からメール来た。内容知りたい?(笑)>>
知美には何でも話せる。
ツライ事も、悲しい事も。
正直言うと何でも話せる友達・・・親友は知美だけなのかもしれない。
隼人にフラれた時、黙って話を聞いてくれたのも知美。
ずーっとそばにいてくれたのも知美。
ホントに感謝してる。
知美に返事を送るとする事がなくなった。
「チャットでもするかー・・・」
<<チャットでも>>という言い方はおかしかったかもしれない。
なぜなら、私はチャットにはまっていた。
確実にはまっていた。
パソコンが起動するのに少し時間がかかる。
じれったい。テレビみたいに一発で点けよ!と、どうしようもない事を思ってみた。
そんな事を考えてるうちに携帯が光った。
『知美』から返事が来た。