第4話
退室をした私は、パソコンの電源も切った。
たかしと少ししか話していないのに、時計を見ると30分以上経過していた。
多分、私のタイピングが遅いからだろう。
目が異様に疲れた。コンタクトが乾いている。
「はぁー・・・目薬どこだっけ・・・」
夏は目薬をほどんど使わない私は、5分くらい探してやっと見つける事が出来た。
目に水分が補給された。
水分が補給されたところで、私はたかしにメールを打つ事にした。
携帯を片手にベットにダイブする。
「はぁー・・・幸せぇー・・・」
何故か私は毎回ベットにダイブ、そして毎回幸せを感じる。小さな幸せを感じる。
幸せを十分感じた私は、たかしにメールを打ち始めた。
打ち始めたのはいいが、なんとなく文面が気に入らなく何度も消した。
打っては消し、打っては消した。
<<綾です。メールしてみました。バイト頑張ってね。>>
結局は、ありきたりというか、無難というか・・・とにかく何分も時間を掛けて<<綾です。メールしてみました。バイト頑張ってね。>>という文字を打ち、送信ボタンを押した。
なんだか開放感があった。仕事をやり終えた様な。
しばらく机の上に置いた携帯を眺めていた。
たかしからの返信を期待している自分がいた。
でも、携帯が鳴ることも、光ることもなかった。
本当にたかしはバイト中なのだろう。何故だかホッとした。
ん・・・?たかしがもし、すぐに私のメールに返信していたら、私はたかしに何て返しただろう。
きっと・・・<<バイト中じゃないの!?>>こう返していたと思う。私の性格上・・・。
でもおかしい。ただのメル友のたかしに、どうしてこんなにも干渉しなければならないのだろう。
『たかし』が『綾』にはまっていく様に、『綾』も『たかし』にはまっていく感じがした。
この感じは懐かしくもあり、少し怖いとも思った。
こんな事を考えているうちに、私はいつの間にか眠りについていた。