第3話
たかし:てか綾ちゃん今フリーなんだ?
綾:うん;;寂しいよぉ;;
たかしは、確実に『綾』に興味を持ち始めていた。
『綾』に興味があるという事は、私に興味があるという事。
私に興味を持ってくれている人がいるという事は、一種の快感だった。
相手が誰だろうと快感だった。
たかし:実は、俺も今フリーなんだよねw綾ちゃんと一緒w
綾:ぁはw一緒だねぇw
たかしが下心を出し始めた。
無論、出させたのはこの私なんだけど。
たかし:あー、ヤバ。もぉバイトの時間だ;;また、綾ちゃんと話したいからメアド交換しようよ!
メアドの交換・・・たかしは、初めからこれが目的だったのだろうと思った。
それよりもどうしよう・・・。顔も知らない、まだ少ししか喋ってないたかしと、メアド交換していいものなのだろうか・・・。
綾:いいよぉwアタシも、たかしさんとまたお話したいしw
たかし:やったぁwじゃぁアド載せるねw
別に、たかしとまた話しがしたかった訳じゃない。メールがしたかった訳でもない。
ただ・・・女友達で埋め尽くされた携帯のアドレス帳がむなしかった。
誰でもいい・・・つまり、たかしでもいいから男の人をアドレス帳に加えたかった。
たかし:じゃぁ落ちるねwメール待ってるねw
<<たかしさんが退室しました。>>
綾:はぁーいwまたねぇw
何度も言うが、打つのが遅い私はたかしが退室した後に返事をした。
何となくマヌケな感じがして、ちょっと恥ずかしくなった。
初めてのチャットで疲れたし、私も落ちる事にした。