第2話
たかし:綾ちゃん、こんにちは。
たかしは入室するなりすぐに発言をしてきた。
「うわぁ、早く返事打たなきゃ」
早く打とうとするのだが気持ちばかりが焦って上手く打てない。
やっとの思いで<<こんにちわぁ>>と一言打った。
しかし画面を見るとたかしの発言でいっぱいだった。
たかし:十代っていくつなの?
たかし:綾ちゃん、ドコ住み?
たかし:彼氏とかいるの?
たかし:打つのゆっくりだねw初心者なのかなw?(笑)
私はパソコン初心者。とてもじゃないけど、たかしのスピードにはついていけなかった。
でも何となく楽しかった。というより、今自分がチャットをしているという事が嬉しかった。
綾:15歳ですw
綾:静岡ですw
綾:この間別れちゃって・・・。
綾:遅くてごめんなさい;;初心者なのw
なんとかたかしの発言全てに答える事が出来た。
<<初心者なの>>と言ったら、たかしは打つスピードを合わせてくれた。
それよりも何故か私は<<この間別れちゃって・・・。>>とありもしない発言をした。
実際別れたのは何ヶ月も前。たかしを誘っているのか?と自分で自分に問い掛けた。
顔も年齢も知らない相手を誘う・・・。なんてミジメなんだろう・・・。
誘っている訳がない!自分の中で答えを出した。
が、実際私のしている事はたかしを誘っていた。それも自分のどこかで分かっていた。
たかし:15歳かーw若いなぁw俺は25だけどいいかなw?
綾:年齢なんて関係ないよぉw
明らかにたかしを誘っていた。
ミジメな事をしていると思いながらも私は楽しんでいた。
しばらく恋愛から遠のいていた私は、久し振りに女を出し始めていた。