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ネット恋愛  作者:
10/12

第10話

<<隼人、今更何だって?>>


『知美』からのメールにはたった一言だった。

でも、その一言に凄く重いものを感じた。


3ヶ月前、公園に呼び出された私は隼人にフラれた。

中二の夏から9ヶ月間の恋が終わった。

終わりを告げたのは隼人の

「なんか・・・俺ら付き合ってる感じしないよね。飛鳥、キスだってさせてくれないし」

その言葉を聞いて私の頭の中で何かが音を立てて崩れた。

一緒にいられるだけで幸せ・・・そう思っていたのは私だけだった。

「そうだね・・・前みたく友達でいようか」

今思うと、よくこんな言葉が出たなぁと思う。

「おぅ。じゃ、友達って事でヨロシク!」

「うん」

何が友達だよ。

もう、友達には戻れない事は分かっていた。

実際友達には戻れなかった。


フラれた私の足は、自然と知美の家に向かっていた。

<<ピーンポーン>>・・・チャイムが鳴る・・・。

「はーい」

玄関に出てきたのは知美の兄の雅宏くんだった。

いつもお互いの家で遊ぶ私と知美。

だから私は雅宏くんの事をよく知っていた。

雅宏くんも私の事をよく知っていた。


「おぉ飛鳥ー。・・・どうした?」

私の目からは大粒の涙が溢れていた。

隼人に別れを告げられた時、涙は一滴も出てこなかった。

・・・本当は溢れそうな涙を必死でこらえた。

隼人の前で泣きたくなかった。

フラれて泣くのはミジメな気がしたから・・・。

必死でこらえていたけれどもう、限界だった。

雅宏くんの優しい顔は私を安堵感で包んでくれた。

その安堵感で素直な私の気持ち、涙が溢れたのだと思う。

「・・・知美と話がしたい・・・」

かすれて消えそうな声で一言言った。

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