第2話 条件
1年くらい前に、夜中にテレビをつけたら深夜アニメが放送されていた。
ちょっと見てみようかな~と、軽い気持ちで見たら
・・・はまってしまった。
その時から私は猫をかぶっていて、周囲からは
「言葉遣いが良い、とても優しい人。」
なんて言われていた。
今更、私に対するみんなのイメージを壊したくはない。
だから絶対にオタクだなんて言えない。
この趣味の事は秘密にしておこう。
と、思ってたのに!!
私のバカバカ!!
誰もいないと思って油断した!
アニメを録画し忘れて、でも家に帰ると絶対に間に合わない!!
と思って、携帯で見ていたらテンションが上がってしまって・・・
ぼそっと
「ヴィセレント様、萌え~♡」
と、つぶやいたら!!
・・・優しくて、かっこいいと騒がれている学校一のモテ男、幡司桂馬がそこにいた。
幡司は、いいもの見ちゃった♪みたいな顔して
「・・・その趣味さ、みんなには秘密にしてるんだろ?」
「・・・」 キッ!!っと幡司を睨んだ。
「だよな。かわいくて優しいあの桜坂さんがオタクだなんて知ったら、みんなショックだもんな?」
・・・まさか、こいつも猫かぶってる?
うん、かぶってるな。どうかんがえても。
女子に囲まれてるときの態度と違う気がする。
どういう人かは、まあまあ知っている。
目立つから。
「・・・だったら何?みんなにばらすの?」
「んー?どうしよっかな??」
イラッ! あーいらいらする。こいつと話すと。
「どうしてほしい?」
ブチッ!!!!!
「駄目に決まってんだろ!?どーせ、黙っててやる条件になんかしろ!!とか言うんだろ?さっさと言えや、うっとーしい!!」
あー・・・。やべ。キレてしまった・・・!!この性格早くなおしたい!!短気なんだよな・・・。ハア。
だけど幡司はちょっと驚いただけで、話を続けた。
「さっすがー!!よくわかったね。じゃあ、遠慮なく言わせてもらいます。」
そして、幡司はこう言った。
「・・・お前、俺の彼女になってよ。」