第1話 秘密
よく晴れた、すがすがしい朝。
それとは裏腹に、私の心はどよどよした梅雨モード・・・。
「あっ!見て見て!!桜坂詩音と幡司桂馬!!」
「やっぱりあの二人付き合ってるのかな?」
「手、つないでるしそうだよ!きっと。」
と、周りから色々聞こえる。
「あーぁ、残念・・・。幡司君、狙ってたのに~!!」
「かっこいーもんね~。」
「でも、桜坂さんもかわいいからさ、なんだかんだ言ってもお似合いだよね♪」
「うんうん。美男美女カップルで!!」
・・・イライライライラ
さっきから話を聞いてりゃ、勝手なこと言って!!
付き合ってる!?
お似合い!?
・・・ふざけないでよ!!
「・・・お似合いだってさ?」
「うっさい!なんで私があんたと付き合ってるふりしなきゃいけないのよ!!」
「・・・お前の秘密、ばらしていいのか??」
「ごめんなさい!!それだけは勘弁してくださいっ!!!」
すごく全力で謝った。
「ヴィセレント様・・・だっけ?」
グサッ!
「・・・萌え~♡」
グサグサッ!!
私の秘密。
それは・・・
「ええいっ!!黙れ黙れ!!!
萌えとか言って何が悪い!
・・・オタクで!!
何が悪いんだっ!!!」
・・・オタクだということ。