きらきらのオルゴール
埃の舞う屋根裏部屋で、少年は小さな箱を見つけました。中には金属製の円柱のようなものが入っていて、箱の横には小さな突起物がついています。
「ねえねえ、母さん。これなあに?」
「これはオルゴールね。横のそれを回すと音が出るのよ」
少年はオルゴールを鳴らそうとしますが、突起はうまく回りませんでした。
「壊れてるのかな」
その夜。少年は夢を見ました。
少年はオルゴールを持っていて、目の前には見知らぬおじさんがいます。
「やあ、こんにちは。僕のオルゴールを見つけてくれたんだね。ありがとう」
「これ、おじさんのなの?」
「ああ。そうだよ。昔、おじさんが好きな人に贈ろうと思って用意したんだ」
「じゃあ、なんでその人が持ってないの?」
おじさんは少し寂しそうな顔をしました。
「贈る前に、盗まれてしまったんだ。こんなところにあったんだね」
「じゃあ、僕がその人に届けてあげる!」
おじさんは嬉しそうに笑います。
「ありがとう。そしたら、森へ行ってこう言うんだ。『流れ星の魔女様にお届け物です』と」
「それだけ?」
「ああ。それでわかるよ」
翌日。少年は言われた通りに森へ行って言いました。
「流れ星の魔女様にお届け物です」
すると、目の前に魔女が現れました。
「懐かしい名で私を呼んだのは貴方?」
「う、うん。これ」
少年が古びたオルゴールを差し出すと、魔女は優しげに微笑んで、少年の手ごとオルゴールを優しく包み込むように握ります。
途端、きらきらした光が二人の手を包みます。魔女が手を離すと、そこには新品同然のオルゴールがありました。
「回してみて」
言われた通りに少年が突起を握ると、今度は何の抵抗もなくするりと回りました。オルゴールから美しい音色が紡がれます。
「きらきら星だ」
「うん。これ好き?」
「うん! 大好き!」
「そう。じゃあこれは、貴方にあげるわ」
「え? だめだよ! これはお姉さんのことが好きなおじさんからの贈り物だから」
魔女は少し驚いた顔をしてから、くしゃりと笑いました。
「いいのよ。贈り物なら、もう貰ったわ。貴方のおかげで、もう一度あの人に会えた。ありがとう。気をつけて帰るのよ」
少年が瞬きをした後には、もう魔女の姿はどこにもなく、ただ手の中に綺麗になったオルゴールがありました。




