魔界)人物の項目・横山依子
魔王殿の尚書部で保管されている人物像、世界観より抜粋。
記録作成を担当している尚書部書記官長の主観、本人の弁等が時折交えられるのが特徴。
横山 依子
モザネアルにある魔族領、魔界を治める第六代目魔王。
東京生まれの東京育ち。
某会社に就職後、営業七年のキャリアを持つ。
外回りを終えて帰社する途中で事故に合い死亡。
享年二十七歳にて魔族デビューを果たす。
享年時には一六〇センチあった身長が、一三〇センチの十歳児へと華麗に縮む。
魔王本人の強い希望である、永遠の十八歳という見た目までに成長するには、数百年の時間を要する。
魔王は若返ったと表現しているが、無尽蔵な魔力故に、魔界にて生まれた姿が十歳児だったのではないかとの見方もある。
尚、六代目魔王即位後、新たに設けられた法令の一つに、六代目魔王のスリーサイズ及び体重に関しては、口外は勿論記録を残す事、調べる事も、一部を覗き一切禁じられている。
万が一、当法令を犯した者には厳しく処罰される。
処罰内容の一例として、六代目魔王自らが命名された『一日密着イチャイチャの刑』がある。
六代目魔王との添い寝から始まり、魔王に起こされ、魔王の手ずから湯浴みをし、密着した魔王手ずから食事を食べさせて貰い、片時も魔王が離れる事無く一日を終了する。
但し、この間常に大公達が傍に居り、魔王手ずからの刑が終了後、大公達の前へ放置される。
最後の、大公達の前へ放置が重要であり、六代目魔王の身長以外の数字を、服飾関係等職務上知り得る機会のある者達は、職務へ就く前に必ず最後の一文を夢に見るまで叩き込まれる。
過去、例を見ない恐ろしい処罰であると言わしめられたが、六代目魔王即位後から現在に至るまで、当処罰を受けた者は未だ居ない事は幸いである。
日本人であった頃、二十七歳にしてセーラー服はそろそろ厳しいが、ブレザー制服ならまだいけるかもしれないという童顔タイプであったと本人の談。
注釈として、少し離れた所で見た場合と、ライトは少し強めにを付け加えておく必要があったとも。
眉は書く必要が無い程、濃い自己主張型であった為、手入れをしないでいた場合、自分の眉尻に、女性の憧れであるウェディングドレスのトレーンが見れる。
眉脱毛を真剣に考えていた頃に死亡した為、眉脱毛は断念するも、魔界デビューを果たして以降、理想の眉を手に入れてから眉の悩みから解放される。
余談であるが、他無駄毛処理は既に済ませており、魔界デビューにて無駄な毛が一切無くなった為、脱毛に費やした金額を思い返しては、微妙な悔しさを噛み締めている。
肌は秋田美人に敵わなかったが、それなりにきめ細かい色白肌でありちょっとだけ自慢でもあった。
魔界デビュー後、更に肌がきめ細かくなり明るい美肌となる。
眉同様一生肌に悩まされる事無く、秋田美人に負けず劣らずの肌を手に入れ喜んでいる。
洗顔のみで、化粧水も保湿も乳液も不要という、透明感溢れる最強美肌を手に入れたと豪語している。
童顔の要因とも言える大きな目は幾分勝気さが覗き、瞼は二重で気持ち眦が上がり気味。
魔王即位した現在、自己主張を残しているのは、上下の睫のみである。
また魔力補正により、童顔故の可愛さとロリ度は上がったが、中身は永遠の二十七歳にしてオヤジ思考が現在も継続されている。
魔界貴族陣に比べれば『美』に関しては下の下であると、自己分析をする冷静さも垣間見える。
ちなみに、上位魔族にもなれば、肉眼では毛穴が確認出来ない程きめ細かい肌をしている為、魔王が最強美肌と喜んでいるのは人間レベルでの話しである。
一応、人間界に行けば『可愛いタイプ』が好きな男性にはモテると思われるが、十歳児体型の為ロリコン嗜好者にしか効果が発揮されないのが惜しい所である。
色素は日本人のまま、肌は黄色、髪は黒、瞳は焦茶、瞳孔は黒である。
モザネアルの世界では、現在魔王のような黄色の肌、黒い髪を持つ者は確認されていない。
魔王曰く、モザネアルで確認出来る人型は、地球の白人とヒスパニック系が主であり、大陸の北側であれば白人、南に行けばヒスパニック系が多いそうである。
また、ヒスパニックとまとめたが、褐色にも差があり、薄い褐色の東南アジア系から黒人に近い濃い褐色の肌も少なからずいるみたいとの事。
魔王となり、絶世の美少女とまではいかずとも、十二分に可愛らしい少女の姿となったが、魔王本人の言葉を借りるのであれば、中身は新橋赤提灯横丁の常連であると記しておく。
六代目魔王は、歴代の魔王の中でも傑出した魔力の持ち主でもある。
質、量共に過去の魔王を凌駕し、これから先も追随を許さない程であり、魔族よりも高位とされる竜族の王と並ぶ、若しくは竜王を超える魔力を持っていると思われる。
注意事項
第六代目魔王の項目に関し、モザネアルでは不明な単語が並んでいるが、詳細を魔王様に尋ねるも『イチャイチャの刑』と答えられるばかりで、意味を教えて頂けない。
逐一尋ねられる事が面倒になったと思われる。
完璧な記録として完成出来ない事は、甚だ不本意であるが『イチャイチャの刑』によって、大公達から非道に扱われるのは更に不本意である為、当記録にある不明点を確認したくば、直接魔王様へ自ら尋ねて頂きたい。