表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傷だらけのこの世の中で ~link of tears~ 克服  作者: 偽穢
傷だらけのこの世の中で ~link of tears~ 2.克服
73/79

~プロローグ~ 出合い —萌視点—


 振り返ったその子を見た瞬間、涙が溢れ返りました。

 これまで涙を流した記憶などないのに、その子を見ただけで流れてしまいました。

 涙がぽろぽろと、勝手に流れ落ちて行きます。

 この世界で傷だらけになって、ボロボロで、独りぼっちなのに、それでも誰も寄せ付けようとされない・・・・・孤独で在り続けようとする男の子から、例えようのない悲しみを感じて・・・・・

 あまりの孤独感を溢れさせるその子を、抱きしめてあげたい・・・そう思ってしまった。

「・・・怖がらないで。痛いことも、酷いことも・・・何もしませんから・・・・・・ね?」

 私自身が聞いたこともない柔らかな声。その優しげな声音に、男の子の張り詰めていた顔が壊れてしまった。

「あ・・・う?」

 目の前まで近づくと涙を溢れかえさせて、困惑されてしまう。

 迷子の子どもが縋り付きたいのに、それをどのようにしたらいいか分からない。そんな姿に、じっとしている事などできませんでした。

「大丈夫・・・大丈夫ですよ・・・・」

 聞こえるほどの声で囁きます。

 この子が驚いてしまわないように・・・

 そのまま、そっと抱きしめます。

「もう、独りなんかじゃありませんよ・・・貴方には、私がいますから・・・ね?」

「・・・・っ! 〜〜〜〜っ!!」

 男の子は声を殺しながら、下を向いて泣きだします。

 震える背中を撫で、好きなだけ泣いて頂きます。

 貴方の居場所は、ちゃんとココに有るんです・・・だから、独りなんかじゃありませんよ。


 それは独りでいた私が、生まれて初めて誰かに寄り添えた瞬間でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ