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平成之半妖物語  作者: アワイン
2-1章 向日葵少女のタイムスリップ
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『時駆け狐』

 過去や未来に時を渡るなんてあり得ないと思うだろ?

 実はタイムスリップした人がいるんだよ。俺が話すのは知人から聞いた話だ。その知人の友人は時を渡って過去にいったことがあるらしい。


 ああ似たような話はあるな。でも、俺が聞いた話は江戸時代にいってどうこうの話じゃない。その知人は何度も江戸時代や過去を行き来していたようだ。

 江戸時代で花魁おいらんと遊んだり、町や屋台でご飯を食べたり、何でも討ち入りの場面も見た。過去は色々とあるらしいけど、富士山の噴火を見たり、合戦を見たり、幕末に行ったりとかしてたらしい。歴史を変えない程度に、タイムスリップを楽しんでたようだ。

 俺も時渡りをしてみたいとたずねてみたけど、その知人が聞いた話によるとやり方は難しいんだと。

 なんでも、人の感覚、タイミング、外的要因が重なって起きるとかなんとな。


 まず一つ目の方法はいつもある道が、見たことない道に見えるとき。いや、普通にあるよなそういうこと。でも、こういうのはタイミングが関係があるから、タイムスリップは難しいらしい。

 二つ目は、外的要因とタイミング。外的要因に関してはわからない。タイミングに関してもよく知らない。だが、何かと重なったときにタイムスリップは起きるらしい。

 最後は……完全な外的要因だ。その知人の友人はこの方法で行き来していたらしい。話によると、タイムスリップの始まりはこの外的要因のようなんだ。


 ある日の夜。十字路の道路を渡ったときだ。その真ん中ではある動物を見かけたんだ。青白い狐。その狐はじっとこちらを見つめていた。

 理由もわからず、そいつは何事なかったかのように横断歩道を渡りきったらしい。そのあとに、狐の鳴き声を聞いてまばたきをすると目の前の風景が違っていた。

 コンクリートで舗装されてない道。電柱もなくて、自動車も走ってない。自転車も走ってないときた。

 目の前が田畑ばかり、いくつか見える建物もかなり昔のような建物。木造で茅葺かやぶき屋根だったらしい。人も現代できるような服じゃなくて、着物とか甚平。くつ草履ぞうりとか下駄げた。昔の人が着るようなものだった。

 そいつはすぐに近くの人に声をかけて、年号や出来事を聞いたらしい。


 年号のことはわからなかったけど、どうやら富士山の噴火については聞けたようだ。この辺りは運良く被害はまぬがれたけど、お江戸の方はヤバイんだと。


 富士山の噴火。つまり宝永の噴火だな。そいつはすぐに場所について聞こうとしたけど、青白い狐が近くに現れた。まばたきをすると、いつも通る横断歩道の前にいたらしい。


 その知人の友人は青白い狐を『時駆け狐』って呼んでいるようで。その狐との遭遇をきっかけに、その友人はタイムトリッパーになったらしいけど、今はできなくなっているらしい。

 できなくなった理由はわからない。でも、できなくなった切っ掛けは、お稲荷さんの神社でお参りをしたからかもって言ってた。そいつはもうタイムスリップを楽しんだから、もう時渡りは十分だと笑っていたんだと。

 その知人の友人は今どうなっているんだって?

 実はわからないんだと。ある日を境に連絡が取れなくなったらしい。姿も見かけなくなったし、家にもいないらしい。引っ越した話も聞かないし……もしかすると、青白い狐に神隠しされたとか。

 そうだったら、面白いよな。



『時駆け狐』


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