平成の向日葵少女衝撃
茶髪。生まれた時から彼女の髪は正真正銘の茶髪だった。母も生まれたときから茶髪らしく、父は茶色が混じった黒髪であった。幼稚園の頃は髪色を少女は気にしなかった。
小学生に上がってからは揶揄されることも増えて、自分の髪の色はおかしいんだと思い始めた。からかわれても彼女は自慢をして跳ね返し、他者から「染めないの?」と言われても自慢の髪の色なんだと話す。だが、自慢しすぎたのか柄の悪い子供達から標的となる。
子供は無邪気で残酷だ。人は相手の弱々しい場面を見て、優越感を得る。
小学五年生になったころ、少女は不思議な女の子に出会った。
春の日。茶髪に関して弄られていたときに、ある少女が助けてくれたのだ。名前に違和感がある少女。明るく笑うと打ち上げ花火を思い浮かべる。
感謝をして自己紹介をしたとき、彼女も自己紹介をするが、自分の名前を呼ばないでほしいと言ってきたのだ。意味を理解したのは一カ月後だが、着ている服の柄を見てはなびちゃんと呼んだ。それが愛称となり、その彼女も気に入る。今は有里依乃と呼べるが、愛称で呼ぶことが多い。
彼女は友達の依乃が好きだ。ラブに近いライクだ。
彼女はホラーが好きだ。ドキドキがたまらない。
彼女はイケメンが好きだ。目の保養です。ありがとうございますと内心で合掌する。
そんな二つのお下げが特徴な向日葵の少女の登校中に春がやって来る。
「好きです! 付き合ってください!」
冴えない黒髪の同級生から頭を下げられて、告白をされている。隣にいるポニーテールをした花火の少女、有里依乃は驚く。告白された張本人の田中奈央は宇宙猫状態であった。
「……はい?」
生まれてから十五年とちょっとの人生で、彼女は初めて告白された。




