『まがりかどさん』
五年前の夕方頃でしょうか。
仕事帰りのある日、帰りの曲がり角で私はナイフを持った人間に襲われかけました。何とか私は逃げましたが、翌朝いつもの通勤路と帰宅路の曲がり角で、救急車とパトカーが来てました。
何とか、そこで殺人事件が起きたのです。怖くて見てないのですが、話によると犯人の痕跡はなかったとか。近くに防犯カメラがあるような場所ではないので、確かに不審者は出にくい場所です。私はそこを避けて通るようにしました。
遭遇してはないのですが、別の町の曲がり角で殺人事件が起きたそうです。また別の町でも起きて、警察は大慌てで捜査をしています。
ですが、別の町、別の町、県境を越えて別の町で、ナイフを持った人間が現れて人を襲おうとする情報が流れてます。
怪談らしくないかもしれません。でも、私がこれを怖いと思ったのはまだこの事件は未解決で未だに続いている話を聞くからです。
曲がり角でナイフを構えて待ち構えているので、学生や小学生の間では『まがりかどさん』と言われているようです。『まがりかどさん』から身を護る方法として学生の間では『まがりかどさん、まがりかどさん。そこにいらっしゃいませんか』と声をかけるそうです。『いますよ』と返事をしたらそのまま逃げるか、塩水をかけて逃げるといいとのこと。
ですが、その『まがりかどさん』は男なのか女なのかはわかりません。
遭遇した人によると、フードとズボン。サングラスとマスクをしていて、顔がわからないそうなのです。巧妙な通り魔らしいく、襲う人の年代もバラバラ。動機も推測しようがなく、警察は愉快犯である可能性を出しました。……ここまで語るともうただの事件です。ただの普通の事件なら怖くないです。
ただの普通の事件ではなくなったんです。
四年前、ある場所の曲がり角でナイフの刺さった全身焦げた遺体を見つけたらしいのです。それが『まがりかどさん』なのかどうかはわかりません。鑑定で身元や人物を調べているそうなのですが、なんで街の曲がり角で焼死体があったのか。その焼死体が学生の間で伝わる『まがりかどさん』なのか。わからないことが多いのですが、その焼死体の近くにボロボロの紙切れがあったそうです。
警察が証拠として持っていった為、詳しくその中身はわからないのですが、噂では呪いの力を得れる儀式なのではと言われています。
その方法も本当に噂ですが、刃物で何度か人間を切ってその刃に血を吸わせる。百人切ったら、その包丁で自身を刺すらしいです。
その焼死体にはナイフが刺さっていたそうですが、儀式に成功したのか。失敗したのか。この状態を見る限り、失敗したと見ていいのでしょう。『まがりかどさん』らしき人物が死んだ。
これで事件は解決した……わけではありません。
だって、これは、未解決事件だからです。
現在まで、この『まがりかどさん』による凶行は続いています。『まがりかどさん』は死んでいるのか。死んでいないのか。たくさんわからないと言って申し訳ないのですが、本当にわかりません。
だから、もし皆さんが曲がり角を曲がったら、『まがりかどさん』に刺される時があるかもしれません。
『まがりかどさん』




