18/209
苦しくてせつなくて愛しくて
苦しくてせつなくて愛しくて抱きしめたいの でも
貴男は天使のような目で私を見つめる
だから私は悪魔の独り言をつぶやく
我儘でごめんね 気持ちの整理がつかないだけ
愛される資格 そんなものがあるなら
私にその切符を下さいな
通行手形が手に入るなら
天国でも地獄でもない宇宙の果てで凍りつきたい
苦しくてせつなくて愛しくて抱きしめたいの でも
貴男は天使のような目で私を見つめる
だから私は堕天使の笑みで応える
どっちつかずでごめんね うまく笑えないだけ
許される資格 そんなものがあるなら
あの日の口づけを忘れてほしい
貴男が愛してるその人を知ってるけど
すれすれの隙間を狙う
それは恋の戦い
苦々しい瓜のように
口の中にいつまでも残る幻味
私は微笑みもままならないのに貴男は
刹那に感じ取る恋の香り
引き裂かれる定め
許してください
まだ貴男とはもう貴男とは
遠く見つめる 事しか叶わず
苦しくてせつなくて愛しくて抱きしめたいの でも
貴男は天使のような目で私を見つめる
だから私は処女の淫靡さで誘う
いやらしい女と思われたくないけど
冷たい傷 洗い流して どこまでも
聖なる出血を 眺める




