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詩のお墓  作者: 敬愛
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僕は死んだ方が良い

左折か右折か迷うなあ

左に行けば落雪 右に行けば骨折


好きな子がいたんだ

でも彼氏がいたんだよな


左折か右折か迷うなあ

左に行けば挫折 右に行けば夭折


好きな子がいたんだ

その子の彼氏は僕の親友だった


その彼氏 僕の親友は

野球選手を目指してた


しかしある日の冬 落雪に巻き込まれ

骨折し選手生命を絶たれ挫折し夭折したんだ


僕は彼女の支えになってやりたいと思った

あいつが死んだから代わりに守ってやりたい 

僕たちは愛し合うようになっていた


霊前に僕達将来結婚するよと報告した

その時突然雷が落ち停電した

蝋燭がふっと消えあいつの声で許さない

そう聞こえた


彼女が涙を流していたからだったのかもしれない

彼女はまだあいつに未練があるのだ


僕はどしゃぶりの雨の中 外に出て自分は罪深いと思った

でも 僕はずぶ濡れになりながら おい お前には彼女は守れないんだよ

そうさ 守れないんだ ごめん ごめんよ


通り雨だったらしく雲の隙間から月が覗いた


仏間にいる彼女にちょっとこっち来いよと言って

あいつ許してくれたよ きっと

ご覧 あんなに月が光ってる


あいつの母親が 出てきたわね月が あの子後悔してないわよ 信じてたから

と神妙な顔をして(あかり)ちゃんを大事にしてくださいねと言った


あいつは月明かりになった と思う

あいつは太陽にもなった と思う


いつもあいつは僕とあかりを照らしてくれる筈

きっとそうだ


彼女が笑った 男同士ってわからないねって言って

でも僕は迷っている左折か右折か


あいつはらくせつに巻き込まれこっせつし

ざせつしてようせつした 左折か右折か?


僕がこんな詩を書いている事を彼女が知る訳がないだろ?

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