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なまくび  作者: ISM
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6. 入力と出力

できるだけ私の体験を時系列に沿って書き記したいと思っている。

しかし、思い出すとその話が突拍子もなく、どの時点のことなのかわからなくなることも多い。


もし人間が脳だけを取り出して生きていたらその人はどんな感覚なのか?

そんなことを考えたことがある。


SF映画で見たことあるシチュエーション。

円筒のガラス水槽の中、ボコボコ泡が出る溶液に漂う脳。

もしかしたら電極みたいなものが繋がれて、まわりには白衣の研究者が忙しく働いているかもしれない。


目も耳も鼻もなければ何も感じず人は死んだ状態なのか?

臓器提供について詳しく調べたときに読んだ脳死と植物状態の違いの記事を思い出した。

もし脳が働いているなら死んでいないという内容だった。

脳につながる器官が無くても、脳が働いているなら生きていると言えるのでは?


そんな極限の状態で脳は何を考えているのだろう。

脳が作り出した想像の世界に生きているのではないか?


脳内では神経細胞が電気信号を伝達させることで様々な処理を行っている。

理論的には神経細胞に人工的に「おいしい」電気信号を入力すれば、脳はおいしいと感じるだろう。

そして実際にラットの脳を使った実験の成功例を聞いたことがある。


例えば、人間の脳を使って特定の電気信号を入力する実験をしたとしよう。

結果的に脳が「鉄の味」「鉄の軋む音」「チラチラと眩しい光」などを感じたとしたら…

脳は少ない感覚の情報を頼りに世界を作り出すのではないか?


あれ?

もしや、あの時の砂粒やコンクリートは…

あぁ、あのブランコも…公園も?


え?この病室も?

あの看護師も…なのか?

仕事は?趣味は?


今は?

ピッピッという何かを刻む電子音と耳には聞こえない低周波音を感じる。

多分、医療ドラマで見たことある生体情報モニターとか大袈裟な医療機器が並んでいると思っていたが…


考えていて怖くなったが、私の本質は研究者気質なのだろう。

それでも真実を知りたいと思った。


さっきから日中の光を感じるが何も目に入ってこないのは、視覚入力デバイスのパラメータ設定がされていないからなのかもしれない。

見えないが遠くないところに数人の看護師の気配があるので、試しに声として出力してみた。

「私の姿を電気信号で入力してください。」

しばらく待ってみたが何も返事はなかった。

出力の電気信号を間違えたのかもしれないし、出力デバイスが繋がれていないのかもしれないと思った。



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