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14話 実践依頼2

 朝の冒険者ギルドで俺とチェイス。そして二人の女性冒険者の四人でテーブルを囲っていた。


「てなわけでだ、レイには彼女達とパーティーを組んでもらう」

「よろしくお願いしますぅ……」

「よろしゅうな、レイ」

「はい。よろしくお願いします」


 彼女達は俺よりも先に冒険者としてデビューした、先輩冒険者だ。

 気弱そうな印象を受ける彼女はユーリ。長い黒髪にだぼっとしたローブを着ているのが印象的だ。そして特徴的な口調の彼女はアルヤ。髪は長いのだろうがポニーテールにまとめているおかげで動きやすそうだ。腰に二本の短剣を差しており、軽戦士なのだろうと予想できる。


「ウチらは一応先輩って扱いやろけど……正直実績ってもんは何もあらへんし、タメで全然構わへんで」

「そうですか?」

「堅苦しいんもやりぬくいやろ? そっちのがええってんなら強制はせんけどな! コイツとかモロそれやし」

「す、すみませぇん……」


 アルヤはともかくとしてユーリは大丈夫なのだろうか。虫も殺せなさそうな彼女が戦力として期待できそうかと言われれば正直不安なところだ。


「タメで話すかどうかは後々考えるとして……チェイスさん。依頼は前みたいな課題形式なんですか?」

「いや、お前たちで自分で考えて受けてもらう。それぞれの得手不得手を理解して最適な依頼を探す。そんな感じのやつだな」


 相変わらずどこか適当な印象を受けるが、気にしたら負けだ。


「とりあえず依頼を決めましょうか。こんなのがいいとかありますか?」

「せやなあ、ウチは討伐系がええな。分かりやすいし」

「何でもいいですよぉ」


 俺もどちらかと言えば討伐系の依頼がありがたいところだ。

 十八番のゴブリン退治の依頼があればいいのだが、軽く依頼のリストを確認してみた限りではどうやら今はその依頼は無いらしい。


「イノシシ退治かアリ退治かネコ退治、どれがいいですか?」

「どれが一番報酬高いんや?」

「アリですね」

「じゃ、ウチはそれで」


 アリとは言ってもそこらへんにいるような小さなアリではなく、ジャイアントアントと呼ばれる巨大な昆虫だ。

 強靭な顎と腹部にある毒針を武器として扱い、家畜や人が犠牲になるという事も珍しくない危険な相手だ。


「倒す時に毒腺に気を付けないといけませんね。闇雲に切り裂けば意図しない反撃をもらう事になります」

「まー気を付ければ大丈夫やろ」


 ゴブリン達とは違い、体が甲殻によって形成されているのも注意する点だろう。切れないとまではいかずとも、油断をすれば弾かれてしまう可能性だってあり得る。


「期限はいつまでなんですかぁ?」

「受注してから一週間みたいですね。どうです?」

「それでしたらぁ……大丈夫ですぅ」

「それじゃあ決まりですね。すみませーん」


 受付で依頼の詳細を尋ねる。


 依頼者はここから徒歩で六時間ほど歩いたところの村の村長だ。

 最近山から下りてきたのか、ジャイアントアントが村の近くに巣を作ったらしく討伐して欲しいとの事だった。

 これ以上の事は直接現地に赴かなければ分からないらしい。


 大して問題がありそうな依頼ではなさそうである為、俺達はこの依頼を正式に受注する事となった。


「今から行けば日が落ちる前にはつけますかね」

「せやなあ。でも途中賊に襲われたりするかもしれんから注意せんならんで」

「ひいぃ……」

「三人ですし、新米冒険者だとしても見逃されたりしませんかね?」

「どうやろな、男は一人だけなわけやし」


 二人はそれほど体つきがいいとは言えない。

 彼女の言う通り俺をどうにかしてしまえば、道具は奪えるし女は手に入ると考えればむしろ襲われる可能性は高いのではないか――そう思えてしまう。


「心配しても仕方ないですし……行きましょうか」

「せやな! 万が一ん時は期待しとるで!」


 それぞれ身支度を済ませて街の外へと出る。


 天気は快晴。気持ちのいい風の吹く絶好の外出日和と言えるものだった。

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