⭕ 私の私のママはぁ~~~万引きはぁ~~ん♪
とあるスーパーにて、とある女の子が母親と仲良く買い物をしていました。
傍から見ても仲睦まじい親子に見えます。
ですが、その仲良し親子は他の親子とは明らかに違っていたのです。
さて──、一体何が他の親子と違っているのか気になりますよね?
仲良し親子にカメラを “ ズームイン ” して見てみましょう。
【 朝の情報番組ズームインの曲を知っておられる読者さんは、ズームインの曲を脳内再生しながらカメラが親子の手元へ近付いていく様子をイメージしてください 】
買い物カートに黒色のお買い物バックを乗せている母親の手には、バーコードと値段シールが貼られたビニールに包まれているノートがあります。
母親は躊躇う素振りを一切見せず、バーコードと値段シールが貼られたビニールを破るとノートを出しました!
娘の目の前で堂々と未払いのノートのビニールを破いたのです!!
破いたビニールとノートを持ち、店の出入り口へ向かって意気揚々と颯爽に歩いている母親と娘ですが、誰にも声を掛けられません!
店内に店員は居ないのでしょうか?!
いいえ、そうではありませんでした。
手に何かを持った店員が走っています。
親子に向かって走っています。
店員は「 お客様! 」と声を掛けました。
親子は驚いた顔で振り返ります。
店員は手に持っていたピンク色の手袋を差し出しました。
店員は親子に向かって「 落とされましたよ 」と言いながら、手袋をお渡ししようとしています。
母親は馬鹿な──もとい親切な店員に笑い掛けながら「 有り難う御座います 」と言いながらピンク色の手袋を受け取りました。
ピンク色の手袋を受け取った母親に向かって店員は更に声を掛けます。
「 サービスカウンターでもお会計は出来ますよ。御案内致します 」と笑顔で言われた母親はハッとしました。
ピンク色の手袋は確かに落とし物ではありますが、親子が落とした落とし物ではなく、厳密にはノートのオマケに付いていた手袋だった事に気が付いたからです。
ノートのビニールを破った時に手袋が床に落ちてしまった事に母親も娘も気付かずに見落としていたのです。
この店員は何処かの物陰に身を隠して一部始終を見ていたのかも知れません。
盗み見をしていたとは、なんていやらしい店員なのでしょうか!!
責任者に訴えて、土下座させてやろうかしら──と母親は思ったかも知れませんが、そんな事はしませんでした。
親切に(?)サービスカウンターへ案内しようとしてくれる店員に対して母親は「 そうなんですね。教えてくださって有り難う御座います 」と笑顔を向けます。
食品レジに目を向けると列が出来ています。
この店員は態々空いているサービスカウンターへ案内して、お会計をさせようとしているのでしょう。
酷い店員ね!
店員の後ろには本棚があります。
種類は少なくても書籍も売られているのです。
母親は「 他にも買う商品がありますので… 」と言うと、店員は「 有り難う御座います。ごゆっくりお買い物してください 」と言いながら会釈をしてる離れて行きました。
母親は娘を連れて移動します。
サービスカウンターにですか?
いいえ、違います。
本棚へ移動したのです。
本棚の下には引き出しが付いています。
販売期限が切れて返品する雑誌や在庫の雑誌を入れる為の引き出しが付いています。
母親は引き出しを少しだけ開けると破いたビニールを引き出しの中へ入れます。
証拠隠滅……を謀ったのでしょうか?
破いたビニールに付着している指紋を調べられたらアウトになるような気もするのですが──、そんな事は考えていないのか母親は開けた引き出しを閉じました。
ノートは黒色の買い物バックの中へinします。
娘の目の前で堂々と悪びれる事もなく馴れた手付きで入れたのです!!
常習犯──でしょうか?
まるで呼吸するかのように洗練された完璧な所作です。
その道のプロ──でしょうか??
母親は娘を連れて移動しますが、移動先は混雑している食品レジでもなく、空いているサービスカウンターでもなく店の出入り口です。
通路を歩いていても誰にも声を掛けられません。
あの失礼極まりない盗み見店員も追い掛けて来ません。
母親は──いえ、親子は勝利したのです!!
今日も見事に万引きを成功させる事が出来たのです!!
止められないね、( *^∀^* )♪ヒャッホーーーー♥️
母親は娘と一緒に無事に店内を出る事に成功し、戦利品をゲットする事が出来ました。
ノート2冊とオマケ手袋──ゲットしたぜ★
この店、万引きチョロすぅwwwwww♥️
ツィッターで万引き仲間に教えてあげマンドリルぅwwwwww♥️
( *≧∀≦* )ウェーーーーイ♥️
──*──*──*── バックヤード
──*──*──*── 保安室
私服警官と警察署から駆け付けたお巡りさんに囲まれて、事情聴取を受けている女性が居ました。
女性は私服警官とお巡りさんから説教も受けています。
何故だか分かりますか?
母親でありながら、娘の目の前で万引きをしたからです。
母親が堂々と泥棒行為──犯罪を子供の目の前で披露して教えていた事に対して私服警官とお巡りさんは心を痛めながら、母親の非道徳的,非人道的な行いに対して叱咤していたのです。
事情聴取を受けながら、お説教を食らっている母親ですが反省しているかは分かりません。
口では反省しているような言葉は幾らでも吐けるからです。
愛してもいない女性に甘ったる声で “ 嘘っぱちな愛を囁く ” クズいゲス男のように如何にも反省している風な言葉を平然と吐けるのが万引き常習犯の得意技でもあります。
必要ならば女優も顔負けしそうな泣き落としだって出来ちゃいます。
思い切って役者の道に進んでみたら?
机の上には母親が黒色の買い物バックの中に入れていた2冊のノートとピンク色の手袋が置かれています。
バーコードと値段シールの貼られている破かれたビニールも机の上に置かれています。
母親と娘は店内を出て、停めている車へ歩いている途中で私服警官に現行犯逮捕されて、バックヤードにある保安室の中へ連行されたのです。
裕福な暮らしをしているのでしょう。
高級そうなルイヴ●トンの財布の中には万札が5枚以上,五千円札も5枚以上,千円札が3枚ほど入っています。
お金は持っているのです。
きちんと食品レジかサービスカウンターでノートの代金を支払っていれば、私服警官に現行犯逮捕なんてされずに済んだのです。
なのに、この母親は支払えるだけの金額を所持していながら、所持金をケチったのか節約したかったのか──、真相は母親にしか分かりませんが、商品を “ 買う ” ではなく “ 盗る ” という人として、大人として、親として最低最悪な行為を選択したのです。
万引きに失敗して私服警官とお巡りさんに事情聴取を受けながら、説教されている母親の後ろ姿を無言でジッ──と見詰めている少女の存在を忘れてはいけません。
この少女は惨めな姿を晒している実母の後ろ姿を見詰めながら何を思うのでしょうか?
「 しくじりやがって口程にもない体たらくだな、愚図がっ! 私だったらバレないようにもっと上手く出来るっつーの、愚図がっ! 本当に愚図! サイテー! 娘として恥ずかしいわ!! 」と心の中で母親を罵倒して責めながら万引きに対して闘志を燃やしているかも知れませんし、「 お母さんみたいな駄目人間にならないように、私だけは全うに生きよう。万引きするような母親とは成人したら縁を切って暮らそう 」と母親を反面教師にして誠実な真人間として生きる決意を固めているのかも知れません。
そんな少女の耳に聞き覚えのある声が入って来ました。
「 あ~あ、命拾いしたんだ…。店の敷地を出たら事故って死ぬ筈だったのにな…。残念 」と囁く声が聞こえたのですが、首を左右に動かして周りを見ても誰も居ません。
保安室の中には母親と私服警官とお巡りさんと自分しか居ません。
保安室のドアは閉まっています。
確かに聞き覚えのある声でしたが、声を発した肝心の主の姿はありませんでした。
少女は首を傾げます。
「 さっきのは、どういう意味だったんだろう? 」と────。
本当に万引きを成功させたまま店の敷地を出ていたら、母と自分が乗っていた車は事故に遇い、母と自分は死んでいたのだろうか??
少女の中に一抹の疑問が残ったのでした。