漫才「いい声」
二人「よろしくお願いします」
ボケ「あのー、僕たちって言っても声がいいじゃないですか」
ツッコミ「すごい自信だね!」
ボケ「声が…いいじゃないですか(キメ声)」
ツッコミ「やらなくていいよ、すごいいい声だけど。」
ボケ「まぁ恥ずかしいけど、皆さんが喜んでくれるなら甘いセリフとか囁いちゃって、楽しんでもらうのもいいかなって。」
ツッコミ「おー、いいじゃない」
ボケ「だから俺甘いセリフ囁くから、君、ちょっとダミーヘッドマイク、やってもらっていい?」
ツッコミ「え!?……ダミーヘッド?あの、人の頭の形した、高性能のマイク?」
ボケ「そ。」
ツッコミ「で、どうすんの?」
ボケ「で、君の耳元に向かって俺囁くから」
ツッコミ「やだよ!!なんか身震いするよ!ゾワゾワーってなっちゃうから!」
ボケ「お願い!」
ツッコミ「マイクあるんだからこれでいいじゃん!」
ボケ「いや、だから俺も思ったよ!何でこれダミーヘッドマイクじゃないんだろうって!」
ツッコミ「そりゃそうでしょ、漫才するのにダミーヘッドマイク置いてあったら変だよ!三人組みたいになっちゃうよ、四千頭身かと思われるよ。」
ボケ「なに!?(胸をタタン!)」
ツッコミ「やんなくていいよ、それマネする人あんまいないよ」
ボケ「ダミーヘッドマイクじゃないとやる気が出ないよ」
ツッコミ「いいじゃん、このマイクに囁けば」
ボケ「このマイクじゃダメだもん、このマイクじゃどう頑張っても君の先月の月収を言ってしまう。」
ツッコミ「やめてよ!」
ボケ「さ、三……四……じゅ、十……八……」
ツッコミ「な、なんだ、何だその数字は!?やめなさい!変な数字を言うのやめなさい!」
ボケ「とにかくこんなオンボロマイクじゃやる気が出ないから…」
ツッコミ「急にどうした!結構いいマイクぞ!これも!なんて事言うんだ」
ボケ「アイスキャンディーと間違えて舐めてしまいそうだし。」
ツッコミ「んなこたない。」
ボケ「おねしゃす。皆さんも聞きたいですよね!?!?ですよねぇ!?!?聞きたくないのか!?聞きたいですよね!?ねぇ!?!?」
ツッコミ「わかったわかった!わかったよ…。ええー、ホントにやるの?」
ボケ「うん!もう皆さんも俺の甘いセリフ待ってるから」
ツッコミ「かーっ…。(目を瞑り、渋々ダミーヘッドマイクになりきる)」
ボケ「(耳元に近づいて)……………(セリフを言おうと息を吸う)」
ツッコミ「ヒィ〜ッいやちょちょちょっと待って!!笑 無理!笑 気持ち悪い!笑」
ボケ「なんでよ!」
ツッコミ「無理無理無理無理!笑 絶対笑っちゃうもん!セリフどうこうじゃなくなる」
ボケ「いいよ、別に。お前にも楽しんでもらえるなら、お前の笑顔が見れるのなら。」
ツッコミ「気持ち悪りぃーよ!別に楽しくて笑うんじゃないし!」
ボケ「お願いだよ!俺だって恥ずかしいんだよ!
けど、みんなに喜んでもらいたくて我慢してるんだから!それとも月収言うか!?今度はあの人(お客さんを指差して)の口座番号まで言ってしまいそうだ!」
ツッコミ「何で知ってんだよ!わかったよわかりましたよもういいよ好きにして。もうどうにでもして。」
ボケ「ゔゔん。……(忍び寄って優しくバックハグ)ハァ…」
ツッコミ「ちょまてよ!!バックハグは聞いてねーぞ!お客さん!触っていいなんて言ってませんよ!」
ボケ「すいません」
ツッコミ「あと鼻息荒いですよ!退場しますか?出入り禁止なりたいですか?」
ボケ「いや、すいませんすいません、嘘です、間違えました!勘弁してください!どうか!」
ツッコミ(ダミーヘッドになりきる)
ボケ「…………、(耳元で)ねぇ、甘いセリフ、囁いてほしいのかい?ふふ……。
あぁ、朝か……。月曜日はやっぱりめんどくさいな。会社休も……。
お昼か。こんな時間まで二度寝しちゃったな…。
夜か。ジムに行く予定だったけど今日はいいか」
ツッコミ「いや自分に甘いな!!それ聞いてどう思えば……」
ボケ「いや、まだあるから!……税金払わなくてもどうせバレやしない……」
ツッコミ「甘いな!大変な事になるぞ!鬼滅の…お前…あぁなんでもねぇ」
ボケ「FXでサクッと稼ぎたい」
ツッコミ「甘く見るなよ!」
ボケ「異世界に転生してスローライフ……」
ツッコミ「最近の流行り!」
ボケ「なろう小説で一発当てたい……」
ツッコミ「ナメんなよ!笑」
ボケ「印税が一千万、二千…三千…四千…(胸をタタン!)」
ツッコミ「四千頭身じゃねーか!」
ボケ「お前の耳たぶ、雪見だいふくみたいだな(ジュルリ)」
ツッコミ「いや舐めてくんなー!!!辞めさせてもらうわ!」
二人「どうもありがとうございました」