小さな公園で
──「帰るまで我慢しよう、輝さん」
「.......ん、ん!........ぷふぅ!」
──「帰ってたら、いっぱいしよう!するから!」
「お、おひいさ......んん!」
──「私は、もう我慢も限界です。おひいさん」
「あ、あは!もう、我慢しなくていいんですね。嬉しゅうございます、おひいさん」
「.......私も、よく我慢したよ。輝さんが、チクチク誘惑するから、大変だった」
「ふふっ。お陰様で人気が無くなったら、おひいさんが凄い勢いで私の唇を奪ってくれましたわ♪」
「輝さん、こんな悪い娘だったかなあ?頭良いんだから」
「もっと致しましょう。今度は私から」
私の顎に手を添えて、輝さんがせまる。
「まあ、ファーストキスも社員のお兄さんに見られてたし、クラスメイトに見つからなきゃいいか.......ん......」
輝さんと、まただ液を交換する。
もう、20分ぐらいこんな事を繰り返している。
たがが外れたみたいに、人が来ない事をいいことに、臨海学舎の帰り道。
小さな公園で、私達はイチャイチャしていた。
臨海学舎で溜まったムズムズとムラムラは、キスを繰り返すたびに、頭のなかが痺れるように昇華した。
そして同時に胸がズキズキした。
二人だけの、天国のような地獄のような、不可思議な世界だった。
止まらない。
止められない。
少し不安になる。
けど、止められなかったら、どこまでもいきそうだ──
「先客いたか。ちっ.......!」
「ほらほら、付き合いたては気をつけなよ~って言ったのに♪」
「夏海!見文!」
唇を離して、つばきが糸を引いた。
良かった。
クラスメイトに見られなければ良いと思ったけど、夏海と見文なら.......助かったあ......!
「ここまでですか、あら残念」
ノンストップギアの輝さんが頬笑む。
.......恐ろしい娘!
「止めてくれて、助かったよ。どこまでいくか、分からなかった」
「ほんと、日衣心はバカちんだなあ!輝さんも、アブねえなあ......」
「ほんとに。ふふっ」
「ごめん、帰るよ。場所とってゴメン。我慢出来ない気持ちは分かったから」
「嬉しいですわ、おひいさん♪」
「日衣心のくせに!」
「我慢出来なかったのね、日衣ちゃん♪」
......何だろう。
また三対一の図式になってる。
気を使ったハズなのに、私が恥ずかしくなってる。
なんでこんな良い連携が取れるんだ。
「では、帰りましょうか!おひいさん♪」
「う、うん」
私の手を引いて、輝さんは公園を出る。
前を向く輝さんの表情は見えない。
少し歩いたところで、私の方を振り返る。
ワクワクした表情で。
「夏海さんと見文さんは、どうされているでしょうか?」
いつから、こんな悪い娘になったのかなあ?
続く




