旅行の最後の夜
「あ~、ご馳走さまでした~。最後の晩餐か~」
可愛いウサギをたくさん愛でて、それ以上に可愛いかった先輩と輝さんを密かに愛でて、旅館に戻ってきてお風呂に浸かり、晩ごはんを食べ終えた所だった。
「そら、今日寝て起きたら帰るんだから、旅行の最後は最後だけど。別に、これで最後にならんだろ」
「でも、先輩春には卒業しちゃうし......。あっ、先輩が留年すれば!」
「アホウ!塚、ろくでもない事言うな!安心しろよ、卒業しても、ちょこちょこ遊びにくるからよ!」
「ほんとですか~?でも、先輩遊んでて大学の試験大丈夫なんですか?」
「お前と一緒にするな塚。オレは、こー見えて頭は回る方だ」
ぬぐ!?
天才肌な先輩だった。
輝さんは、秀才だし。
私は.......私は.......まあ、普通でもいいか。
これは、これで。
「塚、お前な。お前、オレの予感じゃ多分モブで終わらないぜ?多分な」
「私も、そう思いますわ先輩。花知華先輩。そして、いつか先輩の彼女さんも入れて遊びに来て下さい。4人で遊びましょう」
「ハッハッハッ。輝は、見てきた様に言うなあ!多分、そうなるんだろうさ」
??
ふむ。
知らん内にタイムスケジュールが、組まれてる感じがする。
2人の話が分からんから、私はモブだろう。
気楽にいこ。
宴会場から、部屋に戻って寝床に入る。
年頃の若者にしては、品行方正すぎるかな?
でも、輝さんは帰りのバスの事もあるし、先輩は........って、もう寝てる。
隣に寝ている輝さんをチラリと見る。
豆電気はついているけれど、部屋は薄暗い。
やっぱり、輝さん距離が近い。
「クックッ。やっぱり輝さん私と距離近い」
「い、いけませんか!?」
「ううん。嫌じゃないから大丈夫だよ」
輝さんが顔を下に向けて目を反らした。
私は、小声で輝さんに喋る。
「輝さんと知り合ってから、半年。色々あったねえ」
「塚さんが私を見ていたのを含めたら、1年になりますが?」
「ぐほっ!?.......て、輝さん!たまに爆弾投げるねぇ.......」
「でもこうして、ちゃんと知り合えて。友達になれて私は嬉しいです」
「私もだよ、輝さん。先に言うつもりだったけど、先に言われちゃったなあ」
フフフと笑う輝さん。
私の瞳を見つめる。
「塚さん、手を繋いで寝てもいいですか?」
「いいよ。輝さん結構甘えたねえ?」
隣どうしの布団を越えて、手を繋いで眠りにつく私達。
輝さんの手がひんやりと心地いい。
「塚さんの前だと、甘えたくなるみたいです」
ふわりと笑う輝さんの寝顔が見れた。
続く