膝枕とわんこそば
元通りに元気になった輝さんは、現金だった。
着替えの時、がっつり裸体を見られてしまった。
苦笑いの私だが、次は私が見てやろっと。
バスタオルで身を包んでも、着替える時は仕方ないよね?
まあ、気にしなきゃいいんだろーけど、あれだけの熱視線送られたら、なんか見られてる体の場所まで分かるぐらいだった。
視線って、ほんと感じるんだな。
私も気をつけよ。
気をつけて見よ。
私とおんなじぐらいの小さい背の、花知華先輩はなんというか......ひと言でロリ。
オレっ娘でロリっ娘かあ。
希少種だなあ。
........なんというか。
先輩は、そのままでいてください。
「塚ぁ!可愛らしいパンティじゃねーかー♪」
し、しまった!
寝坊ギリギリだったから、家からの油断したパンティだったあ!!
「クックックッ!熊さんのイラスト着きたあな?このロリ枠め!」
「違うもん!たまたまだもん!ロリっ娘の先輩にだけは言われたくないもん!先輩はどーなの!?」
焦りと羞恥で、口調がおかしくなった私。
私はミニっ娘であって、ロリではない!
まだ高1だあ!
伸び代は、まだまだあると言っていい!
「残念。大人なオレは、黒のレースだ」
.......せ、せんぱいのクセに!
なんだよ、黒のガーターベルトまで!
いつ持ってきてたんだよ!
似合ってないよ.......?
.......あれ?
なんだロリ体型なのに、違和感が無いだと?
まって、まって、おかしい、おかしい!
「納得いかないようだな塚?まー、よく見るといい塚!ロリ体型と言っても、只の寸胴じゃないぜ?」
.......!!
確かに!
胸こそ私に劣るものの、先輩の体はナチュラルに鍛えられていた。
お腹の股から、腹筋までキレ上がっていた。
本当に、野生的な体だった。
.........綺麗だ。
悔しいけれど.......って、痛ったあ!
私の首すじに、輝さんの空手チョップが決まっていた(軽め)
な、何故に!?
何故に、私!?
驚きの表情で輝さんを見ると、
「そんな目で見ちゃ駄目です、塚さん」
氷の笑顔の輝さん。
おまいう?
──そんなくだりがあって、宴会場。
商店街のおっちゃん達は、飲めや歌えのドンチャン騒ぎ。
私達は、大晦日だけあって今日だけの旅館メニュー「年越しわんこそば」をやらされた。
3人の現役JKの再戦に、おっちゃん達はギャハハッ!と大笑い。
1位は、私。
2位が、花知華先輩。
3位は、輝さん。
私が勝ったのは、単純におかわりストップの合図の、蓋を被せる行為が間に合わなかっただけだ。
笑顔で、蕎麦を盛ってくる中居さんは、どSだった。
マジで......。
お腹一杯で苦しくて、横になったら輝さんが膝枕をしてくれた。
先輩は、向こうでおっちゃん達と楽しそうにドンチャンしている(先輩は飲んでないシラフ)
私はお腹をさすりながら、ウー、ウー言う。
バスの中の輝さんに続いて私だった。
輝さんが、私の頭を撫でてくれる。
天使や.....。
私、責めようとしたのに。
膝枕で詫びながら、思い返す。
いつかも、こんな事あったな。
ところが、天使な輝さんがうろんな目をして、
「.......あの中居どうしてくれようか」
「輝さん、マジトーン止めて。大丈夫だから」
やりかねない、友情の重さを感じる私だった。
私の気分しだいで、誰かの首が飛ぶのか.......。
暗黒街のボスにでもなったような気分だ。
大変だな、ボスも。
──アホな思考と共に、うつら、うつらと頭が揺れる。
輝さんの頭を撫でてくれるのも相まって、私は苦しかったのも忘れて、輝さんの膝の上で気持ちいい就寝に着くのだった。
続く