表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/144

走研!





「はりきってんな~日衣心」


「まあ、日衣ちゃん。一応文化系だもんね」



お弁当のご飯をつつきながら、スマホで映像を見ている私。

一緒に食べている、いつもの夏海と見文は、呆れながら私を見ていた。



「フンス!」



鼻息荒く、私がスマホで何を見ているかというと。


競馬だ。

競馬のレース映像から、データまで。

色々、目を皿の様にして見ていた。


期末テストも終わり、体育祭も終わり、体育会系の夏海と見文は、余り関係ありませんな、という顔だけれども。

11月には、文化祭が待っているのだ!


高校に入っての、初めての文化祭。

私は、体育会系の様に思われがちだけど、ちゃんと文化系!

走馬予測研究同好会会長なのだ!

輝さんもこないだ入会して、会員は2名!



「はいはい。長いから走研ね」



「ぬ!?いや、でも語呂がいいから、いいか......」



夏海のひと声で、我が走馬予測研究会の略称が決まった。


走研。

うん、悪くない。



「で、走研は文化祭で何やるのー?」



見文が聞いてくる。

よくぞ聞いてくれました!

私は、声高らかに2人に宣言する。



「初の文化祭を迎えた我が走研は!きたる11月の国際G1レース「大日本杯」を予想し、的中させて見せます!」



ドッパ~ン!


と、バックに荒波をイメージしてみました。

夏海と見文も、おお~!と、若干私の勢いに呑まれた。



「まあ、日衣心は勝負事は強いからなあ」


「ウチの柔道部に入れたかったなー」



見文がまだ言ってる。

この高校に、3人一緒に入学して、夏海はバレーボール部に、見文は柔道部に入って。

その時、2人に勧誘されたのだった。



「見文まだ諦めてないのかよ。その事は仕方ないだろ。日衣心はやりたい事やってんだから」


「え~。こんなに勝負強い日衣ちゃんが、体育会系じゃないの納得いかない~」



買われたもんだ。

私も、誘われる事自体は嬉しい。

それ自体が、自分の勝負強さの評価だから。

初めての文化祭での、レース予想。

........是が非でも、当てたい!!




──「なるほど、走研ですか会長。いい略称ですわ」



「つ、塚さん呼びでお願いします。ふ、2人だし!」



放課後に、輝さんと文化祭の事を喋っていた。

文化祭は日曜日。

G1レースの「大日本杯」も当日、15時30分の発走だ。

ここで当てれば、会員は一気に増え、会は部へと昇格。

悪くない、算段だ。

クククッ!



「私は塚さんと2人でもいいんですが」



ん?

悪巧みに夢中で、輝さんのうっかりな呟きを聞き逃してしまった。

........なんて、言ったんだろ?



「な、なんでもありませんよ?」



コホン!


輝さんは、咳払いをひとつして一呼吸入れた。

そして、勝負師なら避けられない提案をした。



「では私と、その大日本杯の勝ち馬の予想対決というのは、どうでしょうか?塚さん」



「!!.......輝さん。予想してきた数が違うよ?勝てるとでも?」




「競馬でも、番狂わせはあるのでしょう?塚さん」




........文化祭。


嵐が吹くのが見える。

輝さんの提案と、挑発に。

私は、その身を焦がして答える。



「上等!!」





続く


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ