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期末テスト終了!




「はい。答案用紙を裏返して。1番後ろの席の人が答案用紙を回収して下さい」




現国の森本先生が、指示をする。

後ろの生徒に答案用紙を手渡しする。

今日が期末テストの最終日。

そして、この現国のテストで最後だった。


やっと終わったー!!

ううん!?と、両手を上げて、背筋を伸ばして首をコキコキ鳴らす。

夏海と見文が声をかけて部活へと去っていく。



「お疲れー!日依心、補習がんばれよー?」


「そん時は、また豪松陰さんに頼りなさい」



「今回は大丈夫だもーん!輝さんが教えてくれたから自信.......自信あるもん。いや、あれあっこどうだっけ?」



自信がシオシオと小さくなっていく私。

ほんとに頑張ったのに、今までが今までだったので、どうだろう?

と、頭は考えるのだった。



「もし、補習でも教えますよ、塚さん?」



気づかぬ内に、斜め前の席から輝さんが来ていて、私を覗きこむように、少し笑みを浮かべて心配してくれる。

.......ありがたい。

ありがた過ぎてもったいない!

小さくなりかけた自信が、勇気凛々。

輝さんの心配が、私を大きくした。



「だーいじょぶです!!輝さんの家庭教師を受けて、赤点を取るはずないですとも!マチガイナイ!!」



.......多分。


未来は、誰にも分からないのだ。

なら、いい方を頭に描いた方がいい。

時と場合によるけど、この場合は可だろう!

輝さんがクスクスと両手で口をふさいで笑いだした。



「マ、マチガイナイ......クックックッ!」



思わぬところでツボに入ってしまった輝さんだった。

可の選択だったようだ。

私は、その後も何度か輝さんのツボをついて、ひとしきり笑わせた。

いや、こんな美人の輝さんの口を開けて笑うとこ、中々見れないじゃないですか?

どーも、輝さんは攻めたくなる何かを持ってる気がするなあ。



「あっはっはっ。あー止めて下さいな、塚さん。くふっ!あー、あの塚さん。今日は失礼してもよろしいですか?」



「ん?ん?テスト終わったし、パー!といかないの?輝さん。家の用事?」



「はい。家の用事みたいなもので。実は近所の合気道の道場で......」



「習ってるの!?」



「はい。習ってたんですが、最近は教える側になりまして」



「教えるの!?......はっ!!て、輝さん、輝さんの、袴!」



「?袴、履きますよ?」



「ひゃあああああーーー!!」



自分の頭の中で、袴を履いた美少女格闘家の輝さん

が神々しい光りを放って想い浮かぶ!!

マ、マリアージュ!!

た、耐えられないとばかりに、私は下を向いて顔を両手で覆う。

今の私は、多分輝さんに見せられない醜い笑顔をしているだろうから。



「もし、よろしかったら塚さん見にいらっしゃいますか?」



ひゃあああああ!!

見ていいんですか!?

輝さんの、袴姿を見ていいんですか!?




「よ、喜んで!!」




つ、塚さん。

鼻血を拭きましょう!

上を向いてください。


輝さんに介抱されながら、首をトントンとする私だった。






続く















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