テイクオフ!
ゴゴゴゴゴゴ
おおっ!
空港だ!
音がすごいな。
いやー、飛行機乗るのは初めてだ。
どー乗るんだろな?
「おひいさん来ましたわ。搭乗券です」
ああ、そうか。
1クラスの団体だから、皆にくっついていけば間違いないのか。
この紙が、搭乗券?
こんなんか。
レジのレシートみたいな紙を受け取る。
これで、チェックインが済んだ?
んで荷物を預けるの?
「あははっ。輝さんコレコレ!TVで見たことあるやつ!」
「おひいさん、はしゃぎすぎです」
ベルトコンベアの上にでっかい荷物が自動で運ばれていく。
そして、検査のゲートを潜っていくのだった。
生で初めて見た!
そして私達も、人間用のゲートを並んで潜る。
くぅふふふふ!
だ、駄目だ。
テンション上がって、変にツボってる。
笑うのを堪えるけれど、口の端が歪むのが時分で分かる。
お、お腹つりそう.......。
「大丈夫ですか?おひいさん」
輝さんが私を心配してくれる。
いかん、いかん。
ちょっと落ち着かないと。
後ろを振り返ると、夏海がゲートを潜る所だった。
ブブー♪
「ぶはぁ!!」
「ちょ、な、なんで!日衣心笑うなよ!って、ええ!?連れてかれるの!?」
夏海が検査に引っ掛かり、ボディチェックを受けるようだった。
ごめん夏海、悪いけど面白かった。
堪えようと思ったけれど、無理。
タイミング良すぎた。
そして保安検査場を抜けて、出発ロビーに出る。
「ひ、広い!」
銀色のメタルな配色の床に壁。
分厚いガラス越しに見えるジャンボジェット。
光りが射し込んでキラリキラリと、近未来のような光景だ。
そんなSFのような世界でも、一応あるのね。
私はソコを指差して、
「輝さん、お花摘んでいい?」
ああっ。
と、輝さんは一緒についてきてくれた。
ここで、はぐれたら泣けそうだったので感謝。
無事、お花を摘みにいってお花がバックに咲きました。
輝さんと2人手を洗って、クラスの団体に合流する。
水平のエスカレーターに乗って、搭乗口に移動する。
天井が、東京ドームのドームみたい。
何から何までテンション上がるな、ここ。
「空港って、すっごいなあ!」
「おひいさんが小6男児のようになって......」
キラキラした瞳で輝さんを見たら、輝さんが、うっ!と眩しそうに眼をつむった。
いいね!
輝さんもノッてるね!
「おひいさん.......。その属性付加は、反則ですわ......」
?
よく分からないけれど、まあいいや。
滑走路に並ぶ飛行機へと、列を作り歩いていく。
タラップていう階段を登って飛行機内へ。
入ってみると、天井は低く感じるな......。
自らの席に移動して、上にある収納棚に軽い手荷物
をしまって席に着く。
フライトアテンダントのお姉さんの説明を聞いて、シートベルトもこう.......。
隣の輝さんとおんなじように真似ました、はい。
「輝さん慣れてるね!」
「小さい頃はよく乗りましたから」
名家の頃ね。
色々あるとは思うんだけど、やっぱり少し羨ましいと思うな。
ゴゴゴゴゴゴ
滑走路を加速して。
ゆっくりと斜めになり離陸する飛行機。
け、けっこう揺れるな!
でも怖さより、好奇心が勝つ私。
輝さんは.......。
青い顔をして、気持ち悪そうな顔をしていた。
酔い止め飲んでたんだけどなあ.......。
大丈夫?と聞くと、
「大丈夫です、おひいさん。離陸と着陸の時だけですわ。揺れるのは」
小さい頃からでも、慣れないものは慣れないんだなあ。
と、輝さんの手を握ってあげるのだった。
続く