夏休みが終わって
「よっこいしょ!」
最後のゴミ出しを終えた私達。
水族館でのバイト最終日だ。
事務所に戻る私達。
店長に挨拶をしにいく。
「お疲れ様。1ヶ月ちょっと、よく頑張りました。ふん」
「ありがとうございます。お世話になりました」
「ふん、ふん。お店よく回せてたよ。また良かったら働いてよ」
「いやあ、来年もう3年生なんで」
「そうかい。まあ、おんなじような事言って、働きに来て定着したりするんだよなあ」
『えっ』
「冗談。俺の事、ふん。そこのぬいぐるみ好きなの持って帰んなさい。ご苦労さん」
.......店長の事か。
一瞬、焦った。
輝さんも意外と焦った。
悪い人じゃないけど、悪い冗談だ。
断られるよりは全然いいんだろうけど。
ふん。
さて、ぬいぐるみやっぱりイルカかなあ?
輝さんと、お揃いで.....。
隣の輝さんを見ると、
「ピラルク!ピラルクがない!」
輝さん、多分それ高いやつ。
──明けて新学期。
2学期の始まりだ。
やり残した事もなく......。
課題も残ってない。
はて、なんかあったような?
.......思い出せない。
私がウンウンと唸っていると、旧友2人が現れた。
「よー。生きとったかね?日依心」
「日依ちゃん、元気してたー?」
何故、私だけ。
隣の輝さんがウンウン頷いていた。
何故だ.......。
なんか納得いかない。
「上手い事いってる?」
「はい。良好ですわ♪」
「でも色々周囲の目もあってさー。夏海と見文は目立たない。というより見た事が無いんだけど」
「まあ、ね。見られちゃまずいでしょ。一応これでも、気をはってんのさ。場所も、体育館倉庫に、保健室。屋上に人の来ない旧校舎の理科準備室などなど」
「最後の怖いなー」
「色々、調べたからねえ。て結構ベタと思うけど」
「はい。既にリサーチ済みですわ♪」
まあ、行ったわな。
色々あったわな。
「まー次の大きいイベントつったら、体育祭で球技か!」
「夏海、見文なにすんの?」
「テニスなんだけどね」
「で、だ。幼なじみの日依心のカップル成立を祝いまして、私達との祝!おめでとう!貴女達の絆はいかほどですか?カップル対決ー!って、企画してんだけど!?」
「なんだい、その企画。理解ある2人だから出来る身内ネタではあるけども」
「面白そうですわね♪」
「あっ。輝さん、のっかるんだ」
「じゃあ、テニスで決まりね♪日依ちゃん、輝さん」
「私の意見は.......」
.......また、3人でパスを回して。
なんか、置いてかれた気持ちになるな。
「本当は、日依ちゃんと輝さんの対決も見てみたいんだけど......」
それ面白そうだな。
互いのパートナーを代えて対決!
うん、熱いな。
「スワッピングしても良いかと思ったけれど、付き合いたてでこじれる原因なってもめんどくさいから、却下しました♪」
見文、スワッピング言うな!
♪じゃないよ。
輝さん笑い過ぎ。
夏海、顔赤過ぎ。
このメンツでテニスか.......。
頭の中で、日本海の荒波が浮かんだ......。
......球技大会。
荒れそうだこれは.......!
面白い!
続く