第2章 王都編 第1話 兄と弟
第2章 王都編
第1話 兄と弟
王都に到着したキルはレックスと別れ、兄でアルベラス王国の近衛騎士団団長ギル・ハーライの元へ向かっていた。
「ここが騎士団の詰所か。すみません。キル・ハーライと申しますが、ここで騎士団長をしている、ギル・ハーライに面会したいのですが。」
詰所の受付で声を出していると、知った声が後ろから掛けられた。
「おっ、やっと来たか。元気そうだな」
キルは振り返ると、笑顔で立っている、兄ギルがいた。
「兄さん、久しぶり元気だった。これ父さんからの手紙」
ギルは手紙を受け取ると、読み始めた。
「なるほど、お前は冒険者になったのか。神槍流は下の弟に継がせるのだな」
手紙を閉じギルはつぶやいた。
「はい、王都を拠点として活動していくつもりです。せっかくCランクになりましたので」
キルはギルドカードを兄に見せて話した。
「キル少し手合せ頼めるか?」
ギルに騎士団の訓練場に通されて木剣を手渡しされた。
「俺は実家の神槍流と王都で取得した裂空流を使う。昔はお前に勝てなかったが今は必ず勝てる気がする。もしお前が勝ったらなんでも1つ言う事を聞いてやる。だが、お前が負けたら騎士団に入団してもらう。冒険者はやめて貰うが。」
兄が木剣を構えた。審判の騎士が始めの合図でギルは
「神槍流七の型 烈火」
炎の大剣がキルに目掛けて降り注いだ
「この技最近使えるようになったが、神槍流十の型 月花・氷乱・乱舞」
炎の大剣を相殺した。
「なっ!」
ギルは身体強化を使い詰め寄った。
「裂空流六の型 現身の矢」
風の矢が50本、キルに目掛けて降り注いだが、キルは、剣を一振りで矢を全て斬った。
「兄さん、終わりだ。神槍流特式零の型 覇王乃息吹」
キルの掌から魔力波が放出して、ギルを吹っ飛ばした。
そこまでの合図に、キルの勝利が決まった。
「兄さん10勝4敗だ。」
ギルは立ち上がり、
「やっぱり、強いわ。お前、約束だ、なんでも1つ云う事聞いてやる。」
笑顔でキルに話しかけるギルは、
「活動拠点提供と俺と毎日訓練すること、それだけでいい。」
ギルは、唖然とし、笑い出した
「分かった。今日の夕方までに用意しよう。剣の訓練は毎日しよう。」
二人で水を飲みながら笑いあった。
「あの方、魔力が溢れている。話してみたい。」