第5話 御前試合と裏切り②
第5話 御前試合と裏切り②
「勝負あり、勝者キル・ハーライ」
そこには、血みどろになっているララトル子爵が寝ていた。辺り一面吹っ飛んでいた。
「やっぱり、吹っ飛んだか。あそこまで、しなくても良くないかな。」
ギルは苦笑いを浮かべていた。
「こいつ、話にならないくらい弱かった。武器が重すぎて身体がついてきてないし、元冒険者って嘘だろ。この豚子爵は、」
と言いながらキルはララトル子爵を見下ろしていた。
数時間前
「アーク・バインド」
ララトルの闇属性拘束魔法が発動した。キルは、造作もなく打ち消した。
「何をした!」
ララトルは、焦り次の魔法と同時に駆けだした。
「何あのトド、剣もまともに触れないのか?はぁ、遅い。」
キルは、腰のホルスターから銃剣を取り出した。
「ポイズン、パラライズ、バインド」
3発をトドトルに撃ち込んだ。あっ、ララトルか。
「グワーッ、何が、痺れる」
ララトルはキルの目の前で倒れこみもがき苦しみだした。
「さて、楽しいリンチ的な血祭パーティの始まりだ」
キルは、ララトルの顔を鷲掴みにして、近くにある木に向かって投げ捨てた。
「アース・バインド」
それから、ララトルが音を上げるまで、初級魔法を撃ち続けた。
2時間後
「まだまだ、こんな物か。元冒険者の俺は、こんなショボイ魔法で倒れない」
キルは、一つため息をつくと、極大な魔力を集めた。
「これで終わりだ。兄貴、魔力障壁を観客全員に張れよ。分厚い奴、でないと死ぬぞ。」
空に手をかざした。
「滅びろ、トドトル。メルルやルイを蔑み、自分の物にしようとした事、それに今まで民にやってきたことは、すでに国王の耳に入っている。俺が報告しておいたぞ。この御前試合はお前の処刑だ。くらえ『デッド・エンド・サクリファイス』」
キルの周りにライフルの魔力形成をした各色が並び、剣の形をした物が数個、上に並ぶ。
「ジ・エンド」
最上級魔法がララトルに直撃した。
ギャー。
高い叫び声が響いた。
そして今に至る。
「うーん、はっ、生きている。私は確かにあのよく分からない、魔法に・・・。」
ララトルが覚醒し、キョロキョロと辺りを見渡すと、キルと目が合い、後ろに後ずさりをした。
「お前まだやるか!今度こそ決着をつけて・・。ぐぇ。」
叫んだのと同時に近衛兵に取り押さえられた。
「何をする。離せ」
わめき散らすトドトルに陛下は、
「お前は大罪人であり、この国の裏切り物だ。楽しい罰が待っている。連れていけ」
御前試合という名の処刑が終了した。