第2話 魔族侵攻①
第2話 魔族侵攻①
キル達は王城にある王の執務室に来ていた。「キルよ。その魔剣は今出せるものか?」
ユーレイはキルに聞くと
『アウト、魔剣バハムート』
異空間から魔剣バハムートが出てきた。
「これです。」
バハムートは、刃先~柄にかけて漆黒の剣で少し赤色が入っていた。
「これは、前に倒した、アンデット・ホーン・ドラゴンを倒したときに手に入れていたみたいです。」
キルはユーレイに説明をする。俺も知らず手にしていたな。
「まぁ、この剣はキルが持つといい。アースカリバーにも選ばれたからな。」
キルは、再び異空間に剣を放り込んだ。執務室を退出して、ルイとメルルとバルコニーでお茶をしていると、城内がざわめき出した。ルイは近くにいた執事に状況確認をするように指示を出した。キルは、こっそり、探索魔法を使用した。
「この禍々しい魔力は・・・。魔族の大群か!なぜこのタイミングに」
魔族の魔力を感じ取ったキルはギルの元に向かった。
「兄貴、魔族の大群が攻めてきたみたいだ。」
訓練場で武器や食料の確認をしていた、ギルにキルは慌てて話した。
「赤の狼煙で敵が攻めてきた事は確認したが、魔族だったか。キル、お前も討伐隊に加われ。」
ギルから珍しく指示が飛んできた。
「言われなくても、加わるよ。だが、先遣隊として先に向かうからな。」
キルは、今朝、完成させた箔黒の鎧を纏い、アースカリバーと神槍剣を背中に担いだ。
「先に行く。魔族の先発隊は既に、アスル領レーファンに侵入している。このまま看過はできない。」
転移魔法を使おうとすると。
「私たちもご一緒します。」
振り返るとルイとメルルがいた。息を切らせながら。
「ダメだ、一応この国の王女が戦いに出ては危険だ。兄貴と一緒にここにいた方がいい。」
ルイとメルルに叫ぶも繰り下がる一方だ。そこに、ユーレイが
「キル。レーファンは第1の要塞都市だ。城壁の上でこの子達に守りをさせてくれないか。これも経験だ。」
「しかし、危険過ぎます」
「頼む」
キルは陛下の言葉に少し考え、(わかりました)と答えた。
「ルイ、メルル行くよ。ここに来てくれ、転移を使う。「ワープ」」
キル達3人はレーファンに発った。