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入学まで


相思相愛になったからには自分も姉と一緒に引っ越してくると言い出したギル様と、一緒に住めばいっぱい恋愛がみれるとウキウキなカミラさんと、使用人が居る生活なんてごめんだな私と、在学中に妊娠させられちゃたまんないおじさんの2対2の戦いは平民地近くの隣合うタウンハウスを借りることで決着がついた。


笑顔の妖艶姉弟に押されて通された気がする。


カフェはカミラさんがレシピを作成して、パスタとかピザが提供されることになった。うどんはやんわりと諭された。


学園に通いながら私が週3で給仕し、その日は裏でギル様が商会のお勉強することになった。

おじさんは商会の方でやれ!と喚いたけど、私が居るんだから当然自分もそこに居ないといけないとゴリ押しされた。私となるべく一緒に居たいおじさんも納得した。


残りの放課後は学生らしくお勉強するよ、せっかく高い金払って学園行くんだから頑張るよ。



私たちの婚約はシナリオを崩したくないカミラさんが王子の卒業前に発表すると宣言した。


一年近く婚約者として振る舞えない、その間に私が王子にとられたらどうすると不満なギル様が、王子には婚約内定だと牽制する方向でなんとか納得した。

もうこの時点でシナリオぐだぐだですけどね。一年隠す意味とは。


庶民は婚約なんかすっ飛ばしてお付き合いからの結婚だし、私はどっちでもいいやと成り行きに任せた結果こうなった。



食革命を起こさずとも好きなものが食べられるようになって、なんだかんだしょっちゅうギル様と一緒にいるようになって、予定していた方向ではないものの私の生活は日々満たされている。


が、慣れてきたのか最近ギル様の赤面が少なくなったのがめっちゃ不満。


さらりと話しかけてくるスマートなギル様も素敵だけど、やっぱあの可愛いギル様が一番良いなー、どうすればもっと見れるかなーってカミラさんとお茶しながら話してた。



「ギルを動揺させたいの?簡単じゃない、フィーちゃんが夜這いすれば動揺しながらもしっかり美味しく堪能すると思うわ」


「いや、まだ入学すらしてないし…処女喪失はやすぎません?」


おじさん泣いちゃうよ。


「んー、どうせいつもギルからなんでしょ?じゃあフィーちゃんからぎゅってしてちゅってすれば?ギルの部屋でやっちゃダメよ、そのまま頂かれちゃうかもしれないし。明日は休みだし、ギルにお昼を作らせてピクニックデートにでも行ってそこでやってみるのはどう?」



その案いただき!

赤面ギル様堪能するぜ!



「とりあえずギルの部屋に避妊具置くようにさせとこ♡」


恐ろしい台詞が後ろから聞こえたが、全力スルーだ。私たちにはまだ早い。見つけたら速攻捨ててやるからな!





てなわけでやってきましたピクニックデート。


お手伝いするからお昼作って欲しい、お出かけしよって言った時のギル様はその時点で赤面した。これだけで良かったのか。


ギル様がグイグイくるから、私からなんかするってあんまなかったかも。

これからはもうちょっと私から行動するようにしてみよう。



「今日はすごい嬉しい…休みの日っていつも姉様が覗いてくるし、ラナーさんが突撃してくるし。はー、フィー可愛い」


お昼を食べたあと、シートの上でギル様に抱き抱えられながら顔中にちゅっちゅされる。


あ、顔あかい。にこにこテレテレ可愛い。



「いつもあかくなってると思うよ?顔に熱がたまってるの自分でもわかるし」


えー、ほんと?あんまり見てない気がするんだけど。


「姉様の覗きのせいだよ…あの人僕らのこといっつも使用人にまで報告させるから、さすがに恥ずかしくて何も出来ないよ」


言われてみればあんまキスとかしてなかったかもしんない。


「部屋に鍵つけようかな…そしたら毎日フィーとこんなふうにイチャイチャ出来る」


避妊具のある密室は遠慮したい。


「じゃあギル様私の部屋に来る?使用人いないよ」


ギル様は嬉しそうにキスしてくる。


あー、可愛いなあー。スマートにはなったけど相変わらず顔あかいじゃん、カミラさんの覗きがなければ毎日赤面ギル様堪能できるんじゃん。


すでにギュってしてちゅーされてるから、私から仕掛けられない。


そう思って、キスされたときにちろって舌を入れてみた。


「…っフィー!!」


あわてて体を離したギル様は真っ赤な顔で目まで潤わせながらこっちを見た。

やりすぎたかな。


「ごめん」


即座に謝った。さすがに泣きそうになるとは思わなかった。


「びっくりしただけ。あー、すごくドキドキする。フィー、大好きだよ。殿下に口説かれても、僕から離れていかないでね」


ギル様はもっかい私を抱きしめて、今度はギル様から舌を絡めてきた。


苦しい。鼻で息しろってよく聞くけどちょっと気を抜いたら鼻息がギル様にかかるじゃないか。ゆっくり鼻呼吸だと酸素足りない。



胡座をかいた足の間で抱きしめられながら、ずっとキスしてた。



「…はぁ、いっぱいごめんね。可愛いフィーに理性引きちぎれそう。本当にフィーの部屋に行っていいの?」



壮絶な色気に卒倒しそうになったけど、私の部屋に来る案は保留にさせていただいた。







入学式は、もうすぐ。


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