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プロローグ②


おじさんと暮らしだしてはや11年、15歳になった私は夢の教育が花開きおじさんの商会で働いていた。仕事は商品開発、あと書類整理。



持ち帰って仕事してたおじさんの助けになれるかなって簡単な計算のところだけ手伝ってたらひっ算にえらく感動して天才だとなでまわされた。


いつもありがとうな気持ちを伝えようと夢で作ってたようにお菓子を作って渡したらおじさん大感動。

こっちにはなかったお菓子作っちゃった&私を自慢したいおじさんによって売り出されたお菓子はゆっくりと街に浸透し、フィービーブランドとして結構な利益が発生した。



お馴染みな異世界転生者としては食事チートやりたいよね。夢ではただの実家住み大学生だから作り方わかんないけど、マヨネーズ食べたい。

就職して一人暮らしになったら料理も作れるようになると思うんだけど、夢の私味噌汁くらいしか作ってないんだよなぁ…乙女ゲームばっかやってないでお母さんの手伝いもうちょいしてよ。



あ、乙女ゲームのヒロインフラグは去年折っといた。


家庭教師、祖父母の紹介で雇ってたらしくて優秀な成績を聞いて引き取りたいって言ってきたんだよね。

美人で才女な私なら娘として使えるもんね、実際ヒロインは王子他を籠絡するわけですし。


祖父母はおじさんとクソ男の話はしないって取り決めてたから、息子の忘れ形見やっと見つけた風に訪ねてきたけど、残念ながら私引き取られた当初の記憶あるんだわ。


さっくりお断りしたから、ゲームの舞台である学園に行くことはなくなってヒロインルートは消滅した。

今頃悪役令嬢と王子が仲深めてんじゃないかな、知らんけど。


この乙女ゲームは、天真爛漫ヒロインじゃなくて儚げで可憐なヒロインが売りだった。

そりゃこんだけ産まれに闇背負ってたら天真爛漫になんか育たんわな、ゲームのヒロイン儚げで可憐じゃなくて人生諦めてただけじゃないか?

私も夢がなかったらおじさんと仲良くなれてないし、迷惑かけるくらいならと祖父母についてったと思う。


そんな無償の愛が信じられないヒロインが入学式に一人で儚げに佇む姿に射抜かれる王子様。(さすが乙女ゲーム、ちょろい)

ヒロインを生徒会に勧誘し、そこから他の攻略対象者たちとの交流もはじまっていく。

ちょろい王子様ルートだとそのまま仕事さえやってれば二つ年上の王子の卒業式で勝手に婚約者確定、他のルートだと王子様の目をかいくぐって交流を重ね、卒業式前に王子にお断りを入れ他の相手と婚約。そこからはじまる悪役令嬢の横槍を二人で乗り越えたらヒロイン卒業でゲームエンド。

愛を教えてくれてありがとうと幸せそうに笑うヒロインと攻略対象がエンドロールで流れておしまい。


攻略するより好みの相手を選んで攻略されるお手軽設定と、くっついたあとの悪役令嬢とのミニゲームが面白かったんだけど、学園行ったら言い寄られるってことでしょ。

貴族の奥様より庶民の嫁やりたい。風呂すら一人で入れない世界はごめんこうむりたい。


てなわけでヒロインルートはスルーした。愛情信じてるし私に攻略対象は必要ない。




フィービーは自分のロマンスよりおじさんのロマンスに関心がある。

おじさん連呼してるけどおじさんまだ30歳なんだよ、ヒロインと血縁あるからか結構美形なんだよ。


「おじさん結婚しないの?私邪魔じゃない?たまにお年頃な女の人に私から取り込もうとする意思を感じるんだけど」


「えー、そんな対応させてごめん。フィーが可愛すぎて結婚したくないって言ってたからかな…今度からは40で20歳の子とするからまだいいって言うわ」


おじさんは笑いながらやる気のない返事をした。40で20はキモいよ。


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