結婚に向けて
宣言通りおじさんから許可を得てきたギル様は、それはそれは心臓に悪い素敵なプロポーズをしてくださった。
プロポーズの詳細?思い出したら身悶えるから絶対誰にも教えない。
結婚はしていいことになったけど、おじさんから条件がつけられた。
①ちゃんと卒業すること
②卒業するまで子供は作らないこと
③おじさんと一緒に住むこと
以上。まあ当たり前だと思う。
ただ、カミラさんが拗ねた。
私たちとおじさんが一緒に住むと、カミラさんは一人か公爵邸で家族と住むことになるから。
「やだぁ~!家に帰るのもやだし、一人で暮らすのも嫌!みんなで仲良く暮らしましょうよ~~」
「いや、でもカミラさんは公爵家のお姫様ですし…私使用人絶対近くに居て欲しくないんですよ、息が詰まります。応接間とか、居室以外なら気にならないんですけど」
「大丈夫よ、私も部屋には使用人要らないわ!前はそうだったんだから今だって必要ない筈なの!」
「カミラちゃん使用人居ない生活したことあるの?意外だなー、おじさんびっくりだわ」
多分前世の時の話ですね、それ。カミラさんドレスとか一人で着れるの?
「平気よ、最悪応接間で着付けてもらうわ」
血縁のないおじさんも一緒に生活するのに、そんな痴女行為させてたまるか。
「…姉様の部屋にしか行くことが出来ない階段を作りましょう。そうすればフィーは姉様の部屋に行かない限り使用人を見かけることもない。非常識な造りになりますが、姉様が一緒に住む時点で今更です」
「わーい、快適な自室だわ~」
非常識呼ばわりされてるのはいいの?カミラさん。
「あっ、ギルと結婚するんだからもうさん付けは辞めて欲しいわ。カミラ姉って呼んで♡」
いや、ギル様は様付けなのに義姉とだけそんな距離詰めるのおかしくない?
「僕もそろそろギル呼びが良いなあ、僕は様で姉様はさんなの気になってたんだ」
だよね、そうだよね。
ギル様呼びも長くなったし、そろそろ呼び捨てでもちゃんと呼べるかもしれない。
話し合いの結果、カミラ姉様とギルで落ち着いた。
カミラ姉様はちょっとごねたけど、弟から姉様って呼ばれてるんだから納得してもらった。
「ねぇ、お前らどんどん話ズレてってるの気付いてる?家の話しようよ」
…そうでした。マイペースなカミラ姉様に引き摺られました。
結局一階は使用人も居るスペース、二階以上は使用人の入れないプライベートスペースになった。
掃除とか頼みたい場合は、それぞれの部屋だけに行ける階段を通して呼ぶんだって。
個性的な家だなー、建てるの時間かかりそう。
「家が出来るのを待っていたら式が遅くなってしまうから、生活出来る様になるまでは式の後もこのままタウンハウスでお互い行き来しよう」
そうだね、それが正解かも。
「フィー、ドレスを作りに行こうよ。隣にデザイナーを呼んでるんだ。何着作ろうかな?楽しみだね」
一着で良いです、公爵家が呼んだデザイナーなんて恐れ多い…最小限の人数であんまりお金かけないシンプル婚がいいな。
「シンプル婚は構わないけれど、お父様も来るしお金をかけないのは無理だわ?フィーちゃんは美しいのだから、うんと着飾って平民だなんだと嘲笑いに来る分家の令嬢がハンカチ噛んで悔しがるくらい見せびらかさないと」
ああ、あんま地味だと舐められるのか。
分家のご令嬢たちはギル様との婚姻狙ってたんだろうし、ヒロインパワーで頑張るわ。
「私も隣行くわ、ギルとフィーちゃんだけじゃちょっと心配だし」
「あっ、俺も行くぞ!フィーに似合うデザインを一番分かってるのは俺だからな」
「そんなわけないでしょう、僕の方がフィーの魅力を引き出せます」
「うるせーなぁ、花婿は本番までどんなドレスか知らない方が感動するってもんだろう」
「あっそれはちょっと心惹かれます…どうしようどっちにしよう…」
ドレスに私の意見は反映されるのだろうか。
「フィー、僕式までどんなドレスか楽しみに待つことにします!みんなが隣にいる間新婚旅行のプラン練ってるから場所とか希望を好きなだけ書きだしておいて。あ、それとも一緒に旅行のプラン考える?」
「ちょっと、フィーちゃんまでそっち行ったらドレスどうするのよ」
「どうせラナーさんと姉様がガンガン意見出すでしょう?フィーは今日採寸だけして戻ってきて、あとは最終決定の時だけ居れば十分です。二人が居てフィーに口を出す隙があるとは思えません」
そうかもしれない。
あと、ドレスより旅行のこと考えるほうが楽しそう。




