それぞれの戦い
誤字脱字などのご指摘よろしくお願いします。
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生徒会長の拓也はナンバーツーの肉塊結斗と遭遇していた。
拓也は動じずに彼に声をかける。
「お前は肉塊結斗で間違いないか?」
「ああ、そうさ。俺が黒の三日月ナンバーツー肉塊結斗だ。」
結斗は肯定した。
「まあ、名前は知ってるわな。だが顔までわかっているとはなぁ。」
驚きだとわざとらしく顔を驚きの顔にする。
「だが、見つけることは出来てもだからなんだ?って話しだぜ?お前一人で俺を倒せるわけがないだろう?」
拓也は挑発に動じずに声を発した。
「お前は肉塊という名字だったよな?」
急に質問されたことに少し驚きつつ結斗は肯定する。
すると、今度は拓也が挑発するように言った。
「ならお前の名字は肉骨粉になるぞ?その名の通り俺が肉骨粉にしてやるからな。」
その言葉にキレたのかいきなり結斗は拓也に襲いかかってきた。
右腕で豪快に拓也に拳を打ち込む。その腕を避けるとすぐさま逆から攻撃が来る。
その攻撃を受け止める。そしてもう一度右から拳が飛んで来るがこれも受け止める。が、先程とは違い、大きく吹き飛び瓦礫へ。
結斗は高笑いした。
「これが俺のレグロム、筋肉強化だ!筋肉を強化してパワーを増させる先程とは話が違うだろう?」
余裕の顔を見せる結斗、しかしすぐ瓦礫から拓也が出て来た事に少し顔を暗くする。
「ふん、こんなモノか。なら、今度はこちらの番だな。」
そう言って拳を握り締め構えると、その拳を丸い塊が覆う。
そして構えたまま走り出し結斗の前へ、そして思いっきり丸い塊を纏った拳で殴った。
結斗は拓也よりも強く吹っ飛んだ。
瓦礫に飛ばされそのまま突っ込む。結斗が瓦礫に埋まる。
ピタリと瓦礫が動かないがすぐに瓦礫が動き出し結斗が中から出て来た。
そして拓也に走っていく。
「お前は強いなぁ!さあ、俺をもっと…」
すると結斗の目の前に透明の球体が浮かんでいる。止まることは出来ずそのまま体が当たると体の中に入り込み中で衝撃を起こす。
「ぐぁぁぁ!」
結斗の中の一部の内臓が衝撃波で潰れる。その衝撃波こそ拓也のレグロムだ。
実際のレグロムは第三階級の衝撃、である。
簡単に言えば発動することで体のあらゆるとこからあり得ないほどの衝撃を放つことが出来る能力だ。
拳に纏う塊や浮かぶ球体などはその応用番で衝撃波を圧縮して球体にしたり塊にしたり出来る。
殴った時もその衝撃の塊により力が増し吹き飛ばすほどの火力を出せた。
衝撃のレグロムは第三階級であるものの攻撃センスのみでは第四階級とも言われている。
その力により追い込まれた結斗。
しかし、諦める様子はなかった。内臓を潰されたにも関わらずまだ立ったいる。
「いい加減くたばったらどうだ?」
「ふん、ほざけ餓鬼が。ここからが面白ぇんだろうが。」
そう言うと懐から小さなボトルを取り出した。
「なんだ?それは。」
「これはナンバースリーのドクターによって作られたドーピング薬だ。」
結斗はその液体をあっという間に飲み干す。すると、みるみるうちに大きくなりいつの間にか拓也二人分以上の大きさになった。
そして大きな右腕を振りかぶり打ち込んできた。
しかし、拓也はいつでも冷静だ。
その拳を衝撃波の膜を作って受け止める。その膜に拳を当て逆に結斗に強大な衝撃波が襲い大きなダメージが加わる。結斗の右腕の骨が粉々になる。
「がぁぁぁぁ!」
結斗が絶叫するがまだまだとまらない。
いつの間にか周りには球体と四角い塊が沢山飛んでいる。その球体を次々と当てていく。塊は外側から、球体は中から衝撃を与える。
結斗の外からも中からも衝撃が与えられる。内臓は潰れ、骨は粉々になっていく。
そして、数秒立てば結斗は原形をとどめず絶命してした。
「しっかりと罪を償え。」
哀れみの目でぐちゃぐちゃになった結斗を見ていた。
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時は少しさかのぼり、梟夜は黒の三日月の首領、黒川黒久と出会っていた。
体には黒い服を纏っており腰には剣が備えられている。
「…よし、写真と同じ顔だな。」
黒久が手元の写真と梟夜の顔を交互に見てそう言った。
「俺が誰かは言うまでもないよなぁ?」
「黒の三日月首領、黒川黒久だろ?」
「ああ、俺も名前は知らねぇがお前は倒すと決めていてな。部下をやられた仇だ。」
「まあ、雑魚だろうと部下が倒されれば復讐心も湧くか。」
部下を雑魚扱いされた事が頭にきたのか黒久は腰の鞘から剣を抜き、梟夜に走ってくる。
「オイオイ、いきなりかよ。」
梟夜は皮肉交じりにそんなことを言うと黒久が梟夜の真ん前に剣を下ろす。
その剣を最小限の動きで躱すと梟夜は腹にデコピンを打ち込む。
黒久は少し飛んだがすぐに着地し、姿勢を整える。
「はっ、デコピンだけでこの威力か。だがそれだけか?」
そう言うと今度はさっきよりも圧倒的に早くこちらに向かってくる。
ふむ、確かに早いっちゃ早いなと黒久を平然とした目で梟夜は見る。
梟夜は加減して相手よりほんのちょっと速いくらいの速さで相手に向かっていく。
梟夜と黒久は一気に近距離に近付くと黒久は剣を下ろし、梟夜は拳を突き出す。
それが重なったと思うと黒久の剣はあり得ないことに梟夜の拳で破壊される。
その後その拳をそのまま黒久の顔に入れる。
黒久は宙に舞った。
そして遠くへ吹き飛ぶと空中で何回か回転した後両脚で着地した。
なる程、今までの奴とは確かに違うみたいだな。
梟夜はそれでも余裕の表情だ。
「フハハ…確かに強いなぁ。お前は確かにあいつを倒した奴で間違いなさそうだな。」
あいつとは言わずもがなあの強姦野郎だうと、梟夜は思い出したくもない者を思い出したと目を瞑った。
「さて、それが分かった所で遊びは終わりにしようか!」
そう言い放つと黒久の筋肉が膨らみ始めた。顔も少し変わりつつある。膨張した筋肉は着ていた服を破り、顔はまるで満月に輝く獣のような狼の顔となった。
そう、彼はオオカミ男になったのだ。
「さあ、一合しあおうか!」
そんな姿に変貌した黒久は比べものにならぬ速さで梟夜の前に詰め寄った。
そして爪の生えた手を引っ掻くように手を出す。引っ掻き殺すつもりだったのだろう。相手を殺した感触がないことに疑問を顔に浮かべると、背中から強い衝撃が来る。
後ろを見ればそこには梟夜が降りその手は掌底打ちの形をしている。
背中の骨を何本か折った黒久。しかしそんな負傷を思わせもしない動きで、すぐさま梟夜に引っ掻き攻撃をする。
それを梟夜はまた避けると今度は彼の右腕を掴みそのまま腕を捻るように一回転させる。そして骨を折るとそのまま彼の手を引きちぎった。
「がぁ!」
痛みをやっと感じたのか黒久は消えた右腕を掴みやがら叫ぶ。しかし、彼はすぐに笑みを浮かべた。
「お前も…俺と同類じゃねえか。」
「は?」
梟夜は意味が分からないと疑問を浮かべる。
「今、俺はお前に腕を腕を引きちぎられた。それはお前が俺よりも強いからだろう?」
当たり前だと肯定した。
「それはつまり、俺が弱者ということ。つまり、お前は俺達と同じように弱者をいたぶっているのさ。この世界は弱肉強食。だから俺は黒の三日月を結成しこの世界から弱者を消そうと思ったのさ。だから、男なら殺し女は嬲れと部下に教えてあるのさ。何故ならそれは弱いのが悪いのだからな。」
梟夜はここできづいたのだった。あの強姦野郎もその教えに習った通りの行動をとったのだったと。あの少女に恐怖を与えた元凶は目の前の男だったのだと。やっとわかった。否、わかっていた。が更に彼の憎さが増した。
「兎に角、お前は俺と同じだ。だから俺の組織に!…」
彼は梟夜を誘おうとしたが、その瞬間梟夜が得体の知れない程の殺気を放ったことで喋る事が出来なかった。
殺気を放たれ動けずにいる黒久の前に梟夜がゆっくりと歩いて近付き目の前に立つと、彼の心臓部分に腕を突っ込んだ。
「がっ……」
梟夜に体を貫かれた黒久は叫ぶことすら出来ず膝から崩れ落ちる。
梟夜は彼の心臓を手で掴んだ。
「オレをお前らみたいなクズと一緒にすんな。オレはお前らを粛正するために、いや罪を償って貰うためにあいつらが体感した苦しみを同じように味会わせているだけだ。こんなに町を燃やし、人を犯そうとする奴らに比べりゃオレが腕をちぎる事なんて残酷でもなんでもねえんだよ。この世界にはもっと残酷な事が更にあるしな。」
梟夜の心臓を掴む強さが少し増す。
「だが、確かにオレがやっていることも残酷な事だ。それは事実なんだろう。でもな、オレは大事なモノを守るためなら残酷なことだって何だってやってやる。こういう風にな。」
梟夜は黒久の心臓を握りつぶした。グシャリと音が鳴る。潰した心臓を手から離し、手を抜くと彼は口から大量の血を流しながらうつ伏せに倒れた。
梟夜が言っている大事なモノ、それはここでは水鈴などの友達の事を言っていた。そう、前は知らない人だったが襲われたが、きっと友達にもいつか侵攻してくるだろう。ならば今のうちに潰しておこうと言う考えだった。しかし、彼は実際は知っている人だけでなく、見知らぬ人の事も本当は大事なモノなのだ。
梟夜がそう行動させる元凶はある出来事が原因なよだがそれはしかるべき時が来たら話すべきだろう。
「後、実力に関しては気にすんな。オレが強いだけ…ってもう聞いてねえか。」
圧倒的な実力を見せつけて、梟夜はその場を立ち去っていった。
∞∞∞∞
時はさかのぼり、烏丸高校。
黒の三日月ナンバーフォー真田作弥が攻め込んで来ていた。
昇降口から大きな音が鳴り響く。
「な、なんだ!?」
「て、敵襲?」
皆が慌てている。
それは修羅木も同じだった。
否、慌てているわけではない、怯えているのだ。自分が死んでしまったらどうしよう。せっかくここまで頑張ったのに。死にたくない。
そんな思いを修羅木の心を埋めていた。
が、修羅木の気など相手は知る由もない。
更に近くで爆音がなり、声が聞こえる。
「内の組織の奴殺ったのはどこのどいつだ!出てこいや!」
作弥は黒久と同じように組織の仲間がやられたことにかなり頭にきていたらしい。
建物の中をぶち壊しながら進んでいた。
作弥は言い放った。
「もし出てこねぇならここにいる奴等を全員殺す!早く出てこい!」
この言葉に皆は声にならない叫びを発した。
ここにいる奴等…って事は俺もか?
え、なんでだ。なんで、なんでなんでなんで?
修羅木の精神は崩れかけている。
徐々にその破壊の響音は近付いてくる。
心臓が破裂しそうな程に鼓動が早くなる。死にたくない。死にたくない
そんな思いが心を巡る。
更に音が近付く。
彼はついに覚悟を決めた。
が、不意に音が止まった。
その原因は校長の知だった。
知は彼の振り回していた大剣手に持つ刀で片手で受け止めている。明らかな体格差にも関わらず受け止めているのはあまりにも謎だ。
「あぁ?んだジジイ!」
「わしはジジイじゃないぞよ。ピチピチの96じゃぞ?」
「充分ジジイだろうが!」
刀を振りほどきお互い後ろに下がる。
「お前はお呼びじゃねぇんだよ!死ねや!」
大剣を大きく振るう。
その瞬間知の姿が消えた。
知はいつの間にか作弥の後ろにおり、とうの作弥は首を切られている。
大量の血飛沫をあげ首がコロコロと転がった。チャキンと刀をしまう音が鳴った。
知のレグロムは第四階級、抜刀瞬速。抜刀時のみ音速を越え、光速を超える。
それはまさに超速。
その速さで彼の首を切ったのだった。
「お主は過ちを犯してた。しっかりと奈落で反省せい。」
そう言い捨て知は廊下を歩いて行った。
次回も楽しみに