終わりと始まり
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男を倒した後、ちょうど隣の自分のクラスに何事もなかったかのように梟夜がドアを開けて入った。
「ただいまー」
「「「「「「いやいやいやいやいや!」」」」」」
クラスの皆が驚き水鈴も珍しく共に驚き修羅木グループが声をあげた。
「何でそんな驚いてるんだ?」
「いや、今襲撃があっただろ!大丈夫だったのか!?」
「おう、まあ隣のクラスが襲撃受けてたみたいだからちょいと助けてやったけど。」
「え?どういうこと?」
「まあ、ようは相手を軽くひねってやっただけだ。」
「えぇ!?倒したの?でも、あの煙のせいでレグロム使えなかったはずだよ?」
「ああ、だから生身で戦った。」
「…もう驚かないよ。」
修羅木ご一行は驚く事をやめた。
すると、教室のドアが開き花が入ってくる。
その後、梟夜を席に座るよう指示し、座ると教卓で話し始めた。
「あー色々言いたい事があるのだが、とりあえずどうやら襲撃者は確保された。全員無事だな。」
花がそう言うと皆が頷いた。
花曰くどうやらその襲撃者は重要指名手配組織の黒い三日月のナンバースリーだったという。その証拠に黒い三日月のマークにナンバースリーと書かれた安直なマークが見つかったという。
襲撃者ご一行はすぐに連行されたらしい。
そんな話を話し終わった後、今日はもう帰っても良いとの事だったので、帰ろうとすると花に止められた。
どうやら校長室に来いとのことだった。
梟夜は分かったと頷くと水鈴に先に帰っても良いと伝えると教室を出て校長室に向かった。
校長室につくとドアの横に壁に背中を置いている花がいた。
「一体何の用なんですか?」
「まあ、それは校長から聞くと良いだろう。」
そう言ってコンコンとノックして花がドアを開ける。
ドアの向こうには席に座った校長の姿があった。
「藤ノ宮校長、彼を連れて参りました。」
「うむ、ご苦労。戻って良いぞ。」
「はい、失礼します。」
花が退室すると、藤ノ宮は梟夜に声を掛けた。
「知ってると思うがわしは藤ノ宮知。この烏丸高校の校長じゃよ。お主は柊梟夜で間違いないかの?」
梟夜は肯定した。
すると校長が今まで思っていた疑問に答える。
「何で呼ばれたかは言うまでもなくお主があの男を倒したことについてじゃ。」
そう言うと知は梟夜の近くに寄る。
「お主が本当にあやつを倒したのかの?」
オレの実力を疑っているのか?と梟夜は疑問に思う。
すると疑問に答えると同時に気づいたことを伝える。
「はい、オレがあいつを倒しました。証拠なら1-Dの奴等に聞いて下さい。それと机の中にいる人は誰ですか?」
「…まさか、気づいておるとは。気づかんかったらそのままお主を倒す予定じゃったんじゃが。間違いのない強者じゃの。うむ、認めようお主があやつを倒したと。」
認めて貰えたか、と息を吐く。梟夜もポーカーフェイスを保っていたが事実かなり緊張はしていた。
「それであやつは重要指名手配犯での、賞金を出してくれるらしいのじゃが、お主はどうする?」
「じゃあ、二十パーセントはオレが貰って残りは国に募金しといて下さい。」
梟夜は迷うことなく言った。知はかなり驚いていた。
「本当に良いのかの?」
「ええ、実際そんなにオレが金を持っていても。」
「随分と変わっとるのぉ。」
「ええ、よく言われます。」
知はそんな反応に少し吹き出すと言った。
「わかった。じゃあそうしよう。今回の件、わしからも改めてお礼をさせてくれ。ありがとう。」
「いえいえ!そんなそんな、校長がわざわざ頭を下げないで下さい!」
「ほっほっほ、君でもそうやって慌てるのじゃの。」
「人間ですから当たり前です。」
校長とそんなやりとりをした後、校長室を出て学校を出た。すると門の前には水鈴がいた。
「わざわざ待ってくれたのか?」
「気まぐれよ。ほら私を待たせたのだから唐揚げを買って頂戴。」
「はいはい…」
またも彼女なために金を使うのかとため息をつく梟夜だった。
その後唐揚げを買ってやって(今日は梟夜は買ってない)いつぞやの公園のベンチで二人で話しをする。
「今日はお勤めご苦労様。生身で頑張ったわね。」
「…本当に思ってんのか…」
呑気にも言う水鈴に呆れて言う。
「思っているわ。当然よ。しかし、どうやって倒したかは気になるわ。どうやったの?」
唐揚げをむさぼりながら水鈴が問う。
梟夜は普通に答えた。
「どうやるも何も顔をコンって叩いて黒板に顔面めり込ませただけだけど。」
「…どうやったらそんなこと出来るのよ。」
「頑張れば。」
梟夜の解答に水鈴は苦笑いしながら唐揚げをまた食べる。
「あなた、レグロムを使わずその実力って一体何者?」
「柊梟夜だ。」
梟夜のその反応にムカついたのか氷の拳を作り思いっきり梟夜を殴った。
「いってえな!何すんだ!」
「あなたがちゃんと答えないからでしょう?何者なの?」
「だからひいら…」
ゴッゴッゴッ!と三発殴ってやった。
そうやって楽しく二人はじゃれ合っている中、そんな呑気にしていられるのも今だけだった。
∞∞∞∞
黒い三日月、アジト。
「ボス!悲報が入って参りました。」
「ん?何だ?」
「なんと烏丸高校に襲撃したナンバースリー、ドクタークォートが捕まったようです。」
「何!?それは想定外だな…よし、すぐにでも準備をして烏丸高校に襲撃をしよう。予定は二週間後だ。」
「はっ!」
手下が消えると不敵な笑みを浮かべてボス閣の男は独り言を言う。
「首を洗って待っていろ。木偶の坊共が。ハッハッハ…」
男の笑い声がシンボルとは違い白く光る月の夜に響いていた。
今日更新しようかな…