出来損ない王族 プロローグ
俺の名前は齋藤 慎二中学二年だ。
いきなりでなんだが自分ではかなりの反抗期だと思っている。
そんな俺の1日は、こんな風になっている。
朝、親が起きる前に学校へ向かい。途中でなんか買って学校で食べる。
昼、学校ではだいたい一人で学食を食べる。
夜は、自分の分のごはんを持って部屋の中で食べる
そして、くだらないことを悩んでから寝る。
こんな毎日の繰り返しだ。
だからこそ俺はこんな生活もう飽きて来た。
「だからラノベよこせーーーーーーーーーー❗」
俺は目の前にいる仲西におもっきり叫んだ。
周りからは冷たい目線を向けられる。
まぁいつものことだが
「お前の過去が壮絶なのはわかったけど、今日は持って来てないからな。」
こいつは仲西 いずき。中一の三学期に出会いラノベを貸し借りする仲間だ。
「嘘つけ 本当は持ってるんだろ。」
「いやまじで持ってないからな。というかそんなにほしいなら自分で買えよ。」
「馬鹿言え 今俺の話聞いてたろ食費ですべてこずかいが消えるんだよ。」
「だったら親と仲直りしろや。」
「無理に決まってるだろ。」
なんで俺が謝らなければいけないんだ。あいつを思い出すだけでむしゃくしゃする。
で話は戻るが俺はこんな生活をしていて、ある時仲西の読んでいる本に興味を持った。
それがラノベだったのだ。
その時同じクラスだった仲西に借りて読んだところ、者の見事にはまってしまった。
それ以来俺はラノベに没頭していった。
「にしてもお前読むの早くなったよな。お前に一番最初にかしたのは150ページ位だったのに3日位かかっていたのにな~。」
仲西が両手で厚さをつくって見せつけてくる。
なんか薄すぎねーか、
「そこまで薄くもないし時間もかかってないと思うぞ。」
「それに比べて今はこんなんをいちんちで読破しやがって!」
いやスルーかよ!
まぁいいけどさ。
て言うか今度は厚すぎないか。
「それはおいといて、いずきお前今回の定期テストどうだった?」
「おくなよ! まぁいいや今回俺名前のったぜ!」
「マジか・・・ついにのっちゃったか。」
俺の中学では上位15位は廊下に名前が張り出される。
つまりこいつは15位以内になったのだ。
そして張り出された人はなぜか尊敬される。
まあだから俺みたいなのは特殊な訳だ。
こんなに馴れ馴れしく15位以内に話しかけるやつは。
「そういうお前は何位だったんだよ?」
「聞いて驚くな 俺は150位ぴったりだった。」
「おっお前も乗ったか。」
まぁこの学校は165人生徒がいる。つまり、逆に15位になったのだ。
またこの学校の公式のランキングには乗らないが、非公式の生徒同士で作ったランキングには下から20人がのる。
そのため乗ったやつは大抵弄られる。
ここで大抵というのは、俺みたいなやつはそもそも会話すらしないからだ。
「大丈夫だ。まだ下に15人いる。ドヤッ。」
「逆だテメー 15人しかいないんだよ。」
「俺を現実にもどすな!まじで死んじゃうから。」
「はぁー おまえ中一の時は『鉄壁の齋藤』とか呼ばれとったくせに。」
「いずきお前いまこのタイミングでそれを言うか。あのときの記憶は忘れたいんだよ。」
『鉄壁の齋藤』とは俺が中一の時につけられたあだ名で
中一の二学期まで順位が大きく変わるころ、毎回俺が3位になっていたからつけられた。
勘違いするなよう・え・か・ら・3位だからな!
実際そういうあだ名はつけられていたが、あれは親と喧嘩していない時の話だから忘れたいんだよ。
「いやなんで3位の幸せを忘れたいんだよ?」
「そこは家庭の事情だ。」
「お、おう 分かった。」
俺がいきなり真剣になったからかこれ以上踏み込んではいけないと判断したのか引き下がってくれた。
キーンコーンカーンコーン
まるでタイミングを見計らったように鐘がなった。
「じゃ俺教室戻るわ。じゃあな。」
そう言って俺は教室を出て自分の教室に向かった。
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俺が教室に入るとすでに授業がはじまっていた。
「何やってる‼ とっくに授業は始まってるぞ。」
そう言って俺に怒鳴りこんでくるのはあだ名『ラスボス』こと猿田 護裏羅。
あだ名からわかるとおりとても短気で怒るとこわい。
まるでゴリラのようなやつだ。
「ほ~い。」
俺が適当に返事をすると。
「なんだいまの返事は‼授業受ける気がないなら廊下にたってろ‼。」
周りからは笑い声が聞こえる。別にいつものことでわないが時々あることだ。またいつもならたいして腹もたたない。が、なぜか今回はちがった。仲西との会話で親を思い出したのが原因かわからないが、とにかく少しだけはらがたった。
そして俺は今後の運命を変える決断をしてしまったのだ。
「ハイハイ分かりましたよ。じゃあ廊下にいってきま~す。」
この言葉と同時に俺は教室を出た。
これにはゴリラも驚いたようで
「な、何を言っている お前は成績が悪いんだからちゃんとまじめに受けろ❗」
「いやあんたが廊下に出ろって行ったんだろ。だから俺はちゃんと廊下に向かっただけだぞ。」
すると今度は、生徒たちが驚き六割呆れ三割尊敬一割の目を向けてきた。
多分『ラスボス』をあんた扱いして驚き、そんなに挑発して馬鹿だろという呆れ、よくそんな度胸あるなという尊敬されたんだろう。
そしてゴリラが誰が見ても分かるくらい顔を真っ赤にさせた。
その事が分かった生徒からさっきまでの視線が恐怖にかわっていった。
「お、お前 いまなら許してやる早く席に座れ❗」
「いえ、俺は授業を受ける気ないんで。」
俺がそういうとさらに顔を真っ赤にさせて
「なら知らん、お前はもうどっか行け‼」
「そういうことでしたらさぼらせていただきます。」
そして俺は後ろでなにか叫ぶゴリラを背に向けて屋上へと向かった。
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俺が屋上にいくと、(当たり前だが)誰もいなかった。
手ごろな段差を見つけると適当に座った。
「ちょっと失敗したかな。」
内心やり過ぎ感があったがスカッとしたのでまぁいいやと結論付けた。
しばらくケータイをいじらながらひなたぼっこしていると急に眠気が差していた。
暖かいから不思議にも思わなかったが、あとになってみるとかなり不自然ってことになぜ気づかなかったか、またなぜ抗えなかったのかとても悔やんだ。
そして俺はついに寝てしまったのだ。
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何分か何時間か何日か時間の感覚が全くないまま意識が戻った。ここで『眼が覚めた』というのではなく、あえて『意識が戻った』と表現する理由は目を開けることが出来なくなっていて、手足は愚か、指一本も動かすことができなかった。
(金縛りか?)
からだが全く動かせないのにこんなになっていたのは、昔一度だけ金縛りにかかったことがあるからだ。
だが、
(いえいえ、金縛りなどではございません。)
脳内に知らない人の声が響いてくるのはさすがに動揺した。
(誰だ?)
(おや? 声をかけてここまで動揺されないとは。さすが私が賭けた人ですね)
(それよりお前は誰だ?なぜこんなことになっている?
今は何時だ?)
(質問が多いですね~。まぁ順番に言っていくと私は・・名は名乗れませんが伝説上の悪魔とでも言っておきましょう。次の質問の答えは、まぁ自分で考えてください。そのうちわかるはずです。時間は君が知っても意味はないが一応教えると、あなたが寝てから二分位です。)
・・・・・は?
ちょっと待て、あいつ今なんて言った⁉
俺の聞き間違えじゃなければ
あいつは伝説上の悪魔みたいに地位が高そうなこの世界の生き物ではないってことか⁉
というより・・・
(おい、自称悪魔時間が関係しないってどういうことだよ?)
こいつは時間が関係しないと言ったんだ。嫌な予感しかしない。
(私を自称悪魔扱いしますか、まぁ今回は多めに見ましょう。さて、なぜ時間が関係しないかという話でしたね
その理由は、すでにあなたの命はなくなっているからです。)
・・・は? いやちょ、ちょいまち ・・・・・は?
俺の命はもうない?どういうことだよ?
(さすがに困惑しているようですね。あ、先に言っておくと私が殺したわけではありません。
なんかあなたを眠らせていたらゴリラみたいな人がきて突き落としました。ただそれだけのことです。)
そこで突然
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と甲高い音がなった。
(おや、もう時間のようですね。それではまた会えることを楽しみにしています。)
やつがそういうと俺の意識がだんだん薄れて言った。
(あ、そうでした、あなたはこの世界では死にますが他の世界で頑張ってもらうので)
俺が困惑しているなか、どんどん意識が薄れていく。
そして、
俺の意識は完全に閉ざされた。