第13話「永遠の誓い」
源十郎の死は事故として処理された。
一族の闇は、彼の死と共に葬り去られ、鷹司グループはレオの手によって完全に刷新された。
数ヶ月後。
私たちは再び、あの教会にいた。
参列者はいない。私とレオ、そして立会人の相馬とカイトだけだ。
私は白いタキシードを着て、祭壇の前に立っている。
「やり直そう」
レオが言った言葉だ。
復讐のために始まった二度目の結婚式ではない。
純粋な愛による、真実の誓いを立てるために。
レオは、以前のような張り詰めた表情ではなく、穏やかで憑き物が落ちたような顔をしていた。
「久我山旭。……いや、今は鷹司旭か」
彼は照れくさそうに笑い、私の手を取った。
「俺は一度、君を殺した。その罪は一生消えない。許してくれとは言わない」
彼は真剣な眼差しで私を見つめる。
「だが、これからの命はすべて君に捧げる。君が笑って過ごせる世界を作るために、俺の全てを使う。……だから、もう一度、俺と生きてくれないか」
私は涙が溢れるのを止められなかった。
復讐を誓って戻ってきたあの日。
こんな結末が待っているとは、夢にも思わなかった。
「……レオさん。あなたは一つ勘違いしています」
私は涙を拭い、彼に微笑みかけた。
「私はもう、あなたを許しています。そして、私もあなたと同じ罪を背負って生きていきます。私たちは共犯者ですから」
レオの瞳が潤む。
私は自分から爪先立ちになり、彼の唇にキスをした。
それは演技でも義務でもない、愛に満ちた口づけだった。
「はい、誓います。病めるときも、健やかなるときも。……二度目の死が、私たちを分かつまで」
ステンドグラスの光の中で、私たちは抱き合った。
遠回りをしたけれど、ようやく辿り着いた。
ここはゴールではない。
私たちの、本当の人生のスタートラインだ。




