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霊業  作者: まんらび
2章
14/46

14話:二次試験

一次試験を突破した新入生たち。

だが、それはあくまで「入り口」にすぎなかった。

命を賭した試練をくぐり抜けた彼らを待ち受けるのは――さらなる過酷な二次試験。


仲間か、ライバルか、それとも敵か。

同じ志を持つはずの者たちが試験によって分かたれる。

そして、輝はそこで新たな出会いを果たすことになる――。


次なる舞台、二次試験。

「学園」という名の戦場が牙を剥く

【登場人物】

主人公:気道 輝

教師

真鴉 隼

神宮寺 泰斗

教師「ここが会場でございます……」

目の前には、石造りの大きな闘技場が設置されていた。


輝「闘技場……?」


???「ここで殺し合えってか! 俺、不利だろ」

派手な髪をした男が、不満げに声を上げる。


教師「あなたは……確か……」


???「教師なのに生徒候補の名前すら覚えてないのかよ。俺は真鴉まからす はやぶさだ」


教師「真鴉さんですね。あなたの能力は――」


真鴉「待て待て! こいつらの前で開示すんな! ただでさえ不利なのに、能力まで知られたら一溜まりもないだろ!」


輝「真鴉さん……。不利って言ってる時点で、遠距離系か遅延系のどちらかに絞られるんじゃ……」


真鴉「あぁ? なんだとテメェ……」


思わず縮こまる輝。


真鴉「……」

輝「……」


真鴉「ハッハッ! 文句言ってくる割に縮こまるってなんだよ! 安心しろ、そんな怖がんなって。お前、名前は?」


輝「お、俺は輝。気道 輝...」


真鴉「気道か……よろしく頼むぜ」


輝「う、うん……よろしく」


教師「お話は終わりましたか?」


真鴉「あぁ、すまん。話が逸れちまったな」


教師「では説明再開します。ルールは単純。この闘技場に二人一組で入り、後から投入される妖怪を倒せば試験突破となります。今からペアを組んでください」


輝「真鴉さんは、組む人いますか? 俺、いなくて……」


真鴉「いないなぁ。組もうぜ、俺と」


輝「ほんとに!? ありがとうございます!」


真鴉「まぁでも、お互い何も知らねぇままじゃ力も合わせられねぇ。自己紹介しとくか」


輝「あ、確かに。じゃあお願いします!」


真鴉「あぁ。俺は十八で。この世界に来て一年。能力は……えっと...あ、相手の体力をじわじわ奪う系だ」


輝「え、十八!? 二十五くらいに見えてた!」


真鴉「ハッハッ! よく言われるぜ」


輝「俺は十五で、この世界に入ったのは二ヶ月前だよ」


教師「ペアが決まった方から、順に闘技場へ送ります。ご武運を」


――しゅんっ。


最初に選ばれたのは、輝と真鴉のペアだった。


真鴉「しょっぱな俺たちかよ!」


輝「運がいいのか、悪いのか、分かんないね!」


真鴉「悪ぃに決まってんだろ……」


教師「対戦してもらうのは下級鬼です。下級といえど油断すれば容易に潰されます。――では」


檻が開き、中から牙をむき出した鬼が現れる。


下級鬼「グルルルル……!」


真鴉「まじか……ちょっと怖いぞ...」


輝「真鴉さん! 能力を! その間、逃げて時間を稼ぎましょう!」


真鴉「えっ……!? あ、あぁ……分かった!」

(やっべ……偽ってるのバレる前になんとかしねぇと...気道の能力知らねぇけど何か役に立つかもだし!)


輝「あの、一つ言っときます! 俺、クソほど役に立たないですからね!」


真鴉「うっそだろ!? まじかよ!」


二人は並走しながら必死に逃げる。鬼は金棒を振り回し、地響きを立てて迫ってくる。


真鴉「俺、気道を当てにしてた節あるんだけど〜!?」


輝「ごめんなさぁ〜〜い!!」


???「……やはり、あそこで降参すべきだったんだよ...」

刀を持つ一人の男が、冷めた目で様子を見ていた。


真鴉「このままじゃ埒が明かねぇ!このタイミングで能力開示はリスクだが! 気道、俺の指示に従え!」


輝「えっ、指示...?」


真鴉「どうすんだ!?」


輝「と、とりあえず従います!」


真鴉「よし!」


その瞬間、真鴉は輝の足を引っかけ、転ばせた。


輝「うわっ! 痛ぇ...!裏切ったのか!?」


鬼が金棒を振りかざし、輝めがけて振り下ろす。


輝「くっ……!」


真鴉「――敵を欺くなら、まず味方から、だ! 囮サンキューなぁ!」


真鴉が振り返り、スッとしゃがみ込む。


カチャッ。


体からでてきた妖力が手のひらに集まり黒いスナイパーライフルが姿を現した。


真鴉「くたばれ!」


バンッ!


閃光の如き一弾が放たれ、鬼の脳天を撃ち抜く。

同時に爆風の余波で輝の体が吹き飛んだ。


輝「うわぁぁぁ!」


真鴉「っと……!」

すぐに走り寄り、その体を抱きとめる。


真鴉「悪ぃ、怪我はないか?」

ライフルは霧のように消える


輝「大丈夫……でも、やっぱり能力、偽ってましたね!」


真鴉「それは……ほんと、すまん!」


教師「気道・真鴉ペア。下級鬼撃破。二次試験合格です」


輝&真鴉「やったぁ!!」


二人は勢いよくハイタッチを交わす。


輝「……まぁ、薄々気づいてたけど。最初から裏切る気だったでしょ?」


真鴉「見かけによらず、勘が鋭ぇな」


輝「まぁね!」


教師「さて、次のペアを送ります」


輝「あの人! さっきの刀の人だ!」


真鴉「知り合いか?」


輝「一次審査のとき助けてもらったんだよ!」


教師「次の挑戦者――神宮寺じんぐうじ 泰斗たいとさん」


輝「……あれ? 一人? ペアじゃないの?」


教師「神宮寺さんは名家の出でございますので、特別扱いさせてもらいます。ご本人の要望で1人でございます」


真鴉「えぇ……そういうのって隠すもんじゃねぇのか?」


神宮寺「お前……」


輝「お、俺……?」


神宮寺「そう、お前だ。今から実力の差を見せてやる……弱者は生き残れぬという事実を突きつけてやる。」


真鴉「なんだあいつ……なんでそんな嫌われてんだ?」


輝「わかんないよぉ……俺が弱すぎることくらいしか心当たりないよ……」


真鴉「それじゃね?」


教師「それでは――神宮寺さん、二次試験開始です。」


真鴉「お手並み拝見と行きましょうか!」


神宮寺「……」


カチャン……

下級鬼が解き放たれた。


下級鬼「ぐぎゃぁぁぁ!」


神宮寺「時間はかけぬ...」


神宮寺「幽明の境、迷える魑魅よ――」

刀の鞘に刻まれていた紋様が淡く光を放つ。


神宮寺「朧月おぼろづきの影すらも、妖を隠せず――」


輝「……!」


神宮寺「久遠くおんの闇に潜む魔よ――」


真鴉「とんでもない気迫だな……」


神宮寺「風雅を纏うは刹那の斬閃――」

カチャッ……刀身がわずかに鞘を離れる。

月光のような光が閃く。


神宮寺「やいばの祈りを以て、永劫に封ぜん。鬼哭の声すら、今宵は絶ゆ。」


――神宮寺の周囲に風が荒れ狂う。


神宮寺「塵となれ……滅閃・久遠めっせん・くおんッ!」


スッ――

腰を沈め、一筋の太刀を閃かせる。


カチャッ……(刀が鞘に収まる音)


輝&真鴉「ん?」


次の瞬間、神宮寺は振り返り出口へと歩き出した。


下級鬼「……がっ、がぁぁぁ……!」

遅れてその体が切り刻まれ、重々しく崩れ落ちる。


バタッ……


教師「――神宮寺さん、二次試験合格でございます。」


神宮寺「当たり前だ。」

神宮寺がそう吐き捨てる...


その後の試験は、まさに地獄そのものだった。

鬼の牙や爪に引き裂かれ、無惨に命を落とす者が続出する。

一次試験合格時の生存者半数以上は、恐怖に耐えきれず降参するか、死の淵をかろうじて逃れたに過ぎなかった――。

血と絶望が渦巻く闘技場で、生存者たちは次の試験への重圧を背負うことになる。


教師「三次試験――それは“生死を懸けた本戦”でございます。皆様、ご覚悟を。」

14話「二次試験」はいかがでしたか?

橘を殺した真鴉と輝のコンビ――ほぼほぼ真鴉の手柄ですが、二人で下級鬼をなんとか凌ぎ切ることができましたね。


そして刀を手に戦った神宮寺の圧倒的な実力は、輝と比べるとまさに天と地の差…。

果たして輝は神宮寺に追いつけるのか。


今、輝を待っているのは、命を懸けた最終試験。

これに合格すれば、いよいよ入学は確定です。

輝の運命は――次回、明らかになります。


次回:15話 最終試験

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