転生前のプロローグ!
「…?あれ、あぶないなぁ」
子犬かな?
車道を渡ろうとしているみたいだ。
よちよち歩いてて可愛らしいが、いつ車が通るかわからない。
「助けてもうちで飼うことは出来ないけど…見過ごせないしなー」
と言っても1~2週間なら何とかなるかな?
知り合いが犬好きばかりだからどこか引き取ってくれるかもしれない。
広い道に慣れていないのか立ちすくんでしまったまま動かないわんこを抱えあげる。
「おー。よちよち。お前はどこから来たんですかー?」
小型の動物相手にするとどうしても猫なで声になっちゃうよね。犬だけど。
バカなこと考えてないで歩道に戻ろう。
まぁ、フラグですよね。
さっきまで物音ひとつしなかったのに突然車に激突された。
スポーツカータイプかな?エンジン音静かじゃん、そのスピード、法律まもれてなくない?
車種まではわからなかったけど車体が低いもんだから掬い上げられる用に引かれてしまった。
いきなりの出来事だったけど自分が車道にでていたものだから何が起こったのかすぐにわかった。
妙に冷静だ。
自分が横向きにくるくる回っているのがわかる。ずいぶんとゆっくりしているものだ。
走馬灯と言うやつだろうか。
こうしちゃいられない。
俺がこの後どうなるのかはわかったものではないが、わんこだけでも助けてやらねば。
ゆっくり回る視界のなかでできる限り優しく手を離す。
「ああ、よかった。ちょうど植え込みがくっしょ……。」
そこから先の記憶はない。