勇者
シンは正確に時間を把握していた。天井人ムーが神技「時空障壁」を発動させるまであと3分を切っていた。「時空障壁」は絶対不可侵であるので一度張られたら手立てがない。
シンは神技「突然の不幸」でアランを深淵の闇にひき引き込む。しかし、アランの常時能力
選ばれし者により神技を無効化する。
「貴様は神すらも超えるというのか?」
シンは神技「天罰」をアランに連続して浴びせるがアランの独自職能力想像上最強の盾ですべてを遮断する。
「まだ手はあるか?」
「貴様の知っているとおり我には攻撃魔法の類は使えない。1対1では勝てないことは百も承知だ。」
アランは周囲を確認する。魔王軍により前線が保たれている中でここまでこれた敵が2人いることに気が付く。
「勇者さんよお今回ばっかりは負けてもらえねえかなあ。こっちには莫大な報酬がかかっているもんでね。」
「混沌」をつかさどる天井人である盗賊ケイトが姿を現す。
「私もこの戦いにすべてを賭けたい。勇者であるあなたを超えれば私が正しいことを証明できる。」
神奈も魔王軍の前線を抜けてきたようだ。
アランは全身から冷や汗が流れるのを感じた。