魔王
勇者アランは魔王城の玉座の間にいた。玉座にはもちろん小さい少年の姿であるが魔王がいる。アランはかつて魔王という存在を2回倒してきたがこの魔王は格が違うことを察した。
「ようこそ。勇者アランよ。我が魔王ホーラだ。今は我が同胞と呼ぶべきか。我には記憶がないが前世、前々世の魔王がお世話になったと聞いておるぞ。」
「魔王ホーラ様。お見知りおきいただき光栄です。今回は折り入ってお願いがありまして参上しました。」
ホーラの常時能力言論統制でアランの言葉は支配されていた。本来は魔法の詠唱を封じるものであるがこういった贅沢な使い道もあるらしい。
「ほう。本来は勇者と魔王。宿敵同士であるがお主も一度は魔に落ちた者。今では同胞と思っているぞ。願いを言ってみるがよい。」
「現実での大戦にてお力添え頂きたく思っております。」
「それは面白い。ちょうど退屈しておったところであった。我と魔王軍で出向くとするか。すぐ案内せい。」
瞬間玉座の間におよそ500の武装した魔人が現れた。
アランはホーラ達を現実のクロゼッタの元に送りつけた。
アランはまた異世界に転移し、ヘレンの屋敷に入る。どうやら、かつての同志達で戦う意思のあるものは防人ヘレン、狩人マキ、忍者ミトンの3人であるようだ。いずれも最終決戦時に共闘した面子であった。
「すまない、他にも声をかけたんだがやはりそれぞれの事情があるようで。」
ヘレンは頭を下げ悔しがる。
「いいや。むしろ来てくれたことに感謝する。久々に共に戦えると思うと楽しくなってきた。」
アラン達は現実に転移した。




