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リアル・セイバー  作者: しき
第2章
37/53

奇跡

 亜人迷宮の最深部にて、浦川七海は天井人不亜(ふあ)と対峙していた。

「なるほど。こんなに用意周到とは。」

 浦川七海は大画面に映し出された今回の攻略メンバーを見て感心する。

 盗賊ケイト、魔獣使いチカは一つ手前の空間で迷宮の防衛システムと交戦中。優勢ではあるが時間を稼がれている。

 神奈は中盤で魔分の回復を行っていた。

 賢者新は妨害にあっているのか序盤で彷徨っていた。

 状況は七海が想定していた中で最悪のものであった。情報が少ない不亜の能力を見誤っていた。

「亜人迷宮の攻略おめでとう。そしてお前に聞きたいことがある。なぜ格上の私に歯向かう?」

 不亜の威圧感が高まる。

「あなたがこの現実(リアル)に「不自然」を押し付けてくるからそれを正しているだけだけど。」

 七海は何食わぬ顔で答える。

「私は人類の進化を早めただけであるが。お前こそ現実(リアル)に異世界人を持ち込んだことは万死に値する。」

 不亜は迷宮の防衛システムを起動し壁からガラクタのようなものを抽出しそれらを七海に差し向ける。

 七海は神技「物理法則無視」でそれらを弾き、神技「反乱と崩壊」で不亜を死に至らせる。

「そういえばお前も天井人だったか。忘れておったぞ。」

 不亜は血を吐きながら七海を睨みつける。一時苦しそうにしていたが神技「奇跡の生還」により一瞬で無傷の姿となった。

 不亜は「確率」をつかさどる天井人であり、「混沌」という下位の(ことわり)は些細なものに過ぎなかった。

 不亜は神技「突然の不幸」により、七海を深淵の闇に引き込む。

「ごめんね七海ちゃん。あたしが変なこと言ったばっかりに。」

 七海から放り出された携帯端末から零海の声がする。

 不亜は深淵の闇に沈む七海を見て笑みを浮かべる。

「格下が。私に逆らうからこうなるのだ。」

「確定。」

 七海が闇に消える直前にそう言い放つ。

 不亜はその言葉の真意はわからなかったが突如悪寒を覚えた。

 画面越し新がこちらを見通しているように見えた。










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