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リアル・セイバー  作者: しき
第2章
36/53

白黒

「なんだ、お前は。この迷宮で転移できる奴なんていないはずだが。」

 春樹仁は少年を睨みつける。

「私は荒木。別世界で勇者をやっていた者だ。」

 どす黒い魔分が荒木に降り注ぐも独自職能力オリジナル・ジョブスキル想像上最強の盾イマジナリー・レジェンドシールドで完全に遮断する。

「助けに来てくれたの?」

 神奈は荒木に期待の視線を向ける。

「そう言いたいところではあるが私はあと30秒も持たない。」

 荒木は門が閉まりかけているのを指差す。

 神奈は落胆するも残された時間でもがく決意をした。

「私に勝機はありますか?」

 荒木は右手に光の魔分、左手に闇の魔分を宿しそれらを編み上げる。通常なら中和されて消滅するはずであるが混ぜるのでなくそれぞれの境を保ちつつ組み上げることにより大きな魔分となっていた。

「未来の敵となりうるものに教えたくないが師匠の頼みだ。」

 荒木が消える直前に神奈は頭に浮かんだ浮かんだ言葉を唱える。神奈の光の魔分と闇の魔分が交差し、最上級魔法純白漆黒天使降臨モノクローム・エンジェルとなった。

 春樹仁は自身の全魔分を神奈に向かって放つ。純白漆黒天使モノクローム・エンジェルはそれらを防ぎつつ跳ね返す。

「ここからは力と力の勝負だ。」

 春樹仁は独自職能力オリジナル・ジョブスキル圧倒的制圧(コンクエスト)を使用し、純白漆黒天使モノクローム・エンジェルを怯ませ、神奈に直接殴り掛かる。

 神奈は独自能力(オリジナルスキル)中性化(リバース)を発動し、春樹仁のどす黒い魔分に光の魔分を混ぜ、中和され無力化された拳を受け止めた。

「嘘だろ。どこにそんな力が。」

 春樹仁は戦意喪失しその場に膝をつく。

 

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