暴君
神奈は亜人迷宮の中間部にて100人目の亜人を葬っていた。魔分の消費はほとんどなかったが違和感を感じていた。
「なぜ私はこんなことを。」
独り言を呟きながら迫り来る亜人達を光の矢で切り裂く。
今思えば新にこの力を徴収されていれば平穏な生活を送れていたかもしれない。後悔と自身の罪の大きさに違和感が次第に大きくなり、気分が悪くなってくる。
そうした中に一つの大きな力を察知した。
「よお、囚人。」
神奈はその声に心当たりがあった。同じく大罪人であった暴君春樹仁である。彼は亜人ではあるが悪意の回収は基本行わない。単なる大量殺人鬼である。
「なんでこんなところに?」
「なんで出所してるか聞きたいんだろ。戦地で成果を上げれば一瞬なんだな。」
神奈は上手く言葉に表せなかったが大体伝わっていたようだ。
「どいてくれますか。でないと浄化することになりますけど。」
神奈は弓を構える。
「ちょうどお前を殺したかったところだ。撃ってみろよ。」
春樹仁はどす黒い魔分を発する。彼は標準的な亜人であり。余計な能力に頼らず、ひたすら力押しをするスタイルである。すなわち、優劣はこの一撃で決まる。
神奈は集中力を高め、自身の全てを懸け、矢を放つ。その矢は春樹仁に到達するもすぐに光が失われ、その場に落ちる。
神奈は崩れ落ちる。もう悔いはなくあとは流れに任せようと思った。
「しょうがないなあ。助けてやるか。」
IMYUの声がすると目の前に魔界の門が現れた。
その門から見覚えのある少年が姿を現した。




