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敬天愛人  作者: 北海雄一
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憧れ

歴史小説が好きで西郷隆盛が好きで自分も小説を書いてみたいと思い書いてみます。

よろしくお願いします。

西郷吉之助は子供の頃島津斉彬公を見て雷に打たれたような衝撃を覚えた。

この人の凛々しさはどうだろう。

「美しかあ。」

そう思った。


その夜幼馴染みの大久保正助に会って斉彬公の事を話した。

「今日斉彬公を見もした正助どん。」

西郷吉之助は興奮を隠しきれない。

「ほんまかあ、吉之助さあ。どげなお人じゃった。」

大久保正助は西郷吉之助に尋ねる。

吉之助は身ぶり手振りを交えて答える。

「美しかお人じゃった。あんお人が薩摩のお殿様になったら薩摩は安泰じゃあ。」

西郷吉之助は後の島津藩主島津斉彬公に一目惚れした。


その島津斉彬公が藩主になる日がやってきた。

西郷吉之助は地べたに這いつくばっている。

他の薩摩の民も一様にそうだった。

目の前を颯爽と一頭の馬が通る気配がした。

今目の前を島津斉彬公が通ったと思うとえもいわれぬ興奮が西郷吉之助をおそった。

「チェストー!!!」

気づけば回りの民が皆叫んでいる。

吉之助も叫んだ。

「チェストー!!!」


斉彬公が藩主になるまでは長い道のりがあった。 斉彬の父なりおきには側室のお由良の子久光がいてその久光となりおきは同じ薩摩屋敷で暮らしていたため自然情もうつる。その上側室のお由良は久光を藩主きしたかったためお由良騒動と呼ばれるものまで起こる有り様だった。


大久保正助の父大久保利世は島送りにされ大久保正助は謹慎の身だった。

その正助のところに吉之助は毎日のように通う。

「正助どん、今日は酒を持ってきたで。」

「吉之助さあ、おいは謹慎の身でありもす。」

その正助の風貌は髭は伸び放題つきさやも整えられるひどかった。 しかし吉之助はそんな正助を見るたびに今の薩摩の政治に腹が立った。

「なして正助どんがこげな目にあわなならんとな。」吉之助は怒って畳を叩く。

「仕方なか、おいにはなんの力もありもはんで。」さすがに正助も疲れきっている。

そんな親友を吉之助ははげます。

「正助どん、元気をださななりもはん。」

そう言って肩を叩く。


しかしそんな斉彬が薩摩の藩主になる日がやってきた。 その斉彬が藩主になった日、まるで国中お祭りだった。

幼い頃から一緒に精忠組の同士の有馬新七や村田新八も一緒になり大久保正助の家で祝った。

もちろん吉之助もいる。

「やりもしたなあ。」

有馬新七は喝采をあげる。

「まっこてじゃ。」

村田新八も手を叩いて喜ぶ。

「これでお由良の一派は成敗されもすなあ。」

正助は暗く沈んだ目に憎しみをやどす。

謂れのない罪だった。父が斉彬派だと疑われ島流しにあった。自分もお役目を解かれている。

「もちろんじゃ。」

有馬新七は言う。 村田新八も同調する。

「こげな阿呆な嫌疑をかけられ正助どんの父ぎみは鬼海島に送られたんぞ、こげなことあっていいはずがなか。」

皆酒を飲んでいるからヒートアップする。

「そげな、吉之助さあもそうおもうじゃろ。」

有馬が言う。

「まっこてじゃ、しかし斉彬公が新しい藩主となったからにはすぐにでも正助どんのお父君も戻ってきもんそ。」

有馬と村田も同調する。

「まっこてじゃ。」

皆で正助に酒を進める。

「飲みやんせ、飲みやんせ。」

大久保正助は感激で言葉もない。

「おはんらがいてくれてよかった、ありがとなあ。」

皆目に涙を浮かべている。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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