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第5章 新聞部のじゃじゃ馬ヒロイン

とりあえず、俺達は空いている2席のパイプ椅子に腰を下した。


5分後にマイクの声が聞こえると、ガヤガヤしていた会場がシーンとなる。

「これから、入学式を始めます、私語は慎むようにご協力お願いします」


新入生が演台の方を一斉に振り向き、進行の先生がマイクで声を発する。

「これから、第20回、歌舞伎高校学校の入学式を開催します。まずは校長先生お願いします」


演台にカツラの校長が立って、おきまりの挨拶をする。

「新入生の皆さん、新宿歌舞伎町高等学校へのご入学おめでとうございます。今日から新しい生活が始まるわけですが、皆さんは、どのような高校生活を描いているのでしょうか? うんたらかんたら……」

うーん。テンプレートすぎて、面白味もない。保護者に向かって、カツラを投げつける位のイベントは欲しい所だ。


続いて、在校生の挨拶が始まる。在校生代表は2年生の新聞部の近松ルリだった。黒髪のロングストレートにアイドル顔負けの可愛さだ。学校で一番の美少女と言っても過言ではないだろう。


周りの男子はザワザワ騒ぎ出す。

「あの先輩、可愛いなあ。俺と付き合ってくれないかなあ」

「おまえら、知らないのかよ? 近松先輩だよ。他校でも有名だろ」

「ああ、ストーカー事件を解決した美少女探偵とか騒ぎになっていたな。俺はまとめサイトで見たわ」


ルリは同級生ストーカー事件を解決して、顔写真がネットに流れてしまい、それで有名になってしまったのである。周りの1年坊の奴らはその事を言っているのだろう。ちなみに、父親が大手新聞社の記者である。自分も父親のような真実を暴くジャーナリストになるのが夢である。


ルリは大声で元気よく挨拶をする。

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。高校三年間ですが、悔いのない学校生活を送れるように頑ってください。何気ない高校三年間を送るよりは、部活やボランティア活動など、目標を持った楽しい学校生活を過ごしてください」


それからルリは、とんでもない目標を言い出した。

「私は新聞部で目標を持って活動しています。その目標とは、世間を騒がしているギゾクーズの正体を暴く事です。学生には無理だと思う方もいると思いますが、私は目標に向かって頑張ります。以上」


新入生がパチパチと拍手をしながら数人が喋りだす。

「ギゾクーズってあれか、プロの泥棒の奴だろ?」

「おい、泥棒じゃないぞ。悪い奴から金を盗むから義賊って言うらしいけどな。まあ、犯罪者だな」

「そういえば、ネットに闇金の犯人の顔写真はアップされていたな。DQNな顔だったわ。そういうのはドンドン公開処刑してほしいわ」


もう、ギゾクーズを知らない奴は日本にはいないだろう。連日でニュース特集しているからな。しかし、ルリが面倒事を起こさなければいいけどな……。なによりも感性が鋭いからな。


ギゾクーズについて、どこまで掴んでいるのだろう。あとで部室に寄ってみるとするか。それから、祝電、校歌、先生の挨拶、閉式と流れて無事に時間は過ぎて至った。入学式が終わると、体育館から教室に生徒が移動を始めた。新しいクラスで自己紹介と明日からの説明があるらしい。


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