表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/53

第9章 ブキコー新聞部にようこそ

俺は校舎に入り、部室が入っている建物に移動をする。生徒達は部室搭と呼んでいる部室専用の建物である。2F建てのマンションのような外見をしているのである。


見た目は古く、昭和時代の産物だ。1Fが運動部エリア、2Fが文化部エリアである。入口に入ると、教室より小さい部屋が10室、マンションの部屋のように並んでいる。俺は2階への階段をカツカツと音を立てて登っていく。それから、2Fの一番端にある新聞部の部室に向かった。


表札には新聞部と楷書で書いてある。ルリが筆で書いた字であり、書道部並みの上手さをほこっていた。俺はドアの扉を開いた。


入口から真正面は窓があり、森林の景色が広がっていた。20畳くらいの部屋で、左右には本棚がギッシリ並んでおり狭く感じる。様々のジャンルの本がキッチリと置いてある。


他にも資料が所々に乱雑に置かれていた。中央には四角い長机があって、その周りにはパイプ椅子が適当に置いてある。そこには、ルリも座っておりノートパソコンのキーボードを打ちこんでいた。何か調べものでもしているのだろう。


俺に気が付いたのか、こっちを見ながら声を掛けて来た。

「ノックくらいしてよ、モンゴ君。ビックリするでしょう?」

「ああ、悪いな……ルリ」

「今日から、また1年生をするのね」

「ああ、近松先輩って呼んだ方がいいか?」


その答えに、ルリが噴き出して笑う。

「アハハハハハ、ルリでいいわよ。今まで通りでいいわ」

口を押えながら笑う姿は可愛かった。サラサラのロングヘア―にパッチリ二重で、やっぱ学園のアイドルだけあると思う。


たまに、部室で屈むとブラが見える時あり、俺は興奮してガン見してしまうのだ。凄くやりた……いや、あかんあかん……。それくらい可愛い外見をしているのだ。いや、マジで。さて、ギゾクーズの件をどこまで掴んでいるか聞いてみるか。


とりあえず、ルリと向かいのパイプ椅子に腰を下す。俺は適当に雑談から始める。

「いやー、在校生の挨拶は良かったよ。1年生男子はメロメロだったよ。

また、ファン増えるんじゃないか? いやー、美人は得だねえ。羨ましいねえ(笑)。俺も部活が一緒でテンションが上がるぜ」

「何か嫌な事でもあったの?」

「えっ、別に何もないけど……。なんで?」

「だって、嘘ついているからよ。モンゴ君は何か嫌な事あった時ほど、軽いノリで誤魔化す傾向があるわ。だから、本当はテンションが低いんじゃないの?」


うっ、図星を突かれている。嘘がルリには通じないのである。確かに、モモ姉と喧嘩をしてしまったので、現在のテンションが低いのは事実だ。

「まあ、正解だ。さすが、美人ジャーナリストだね。というよりも刑事みたいだね。凄い、凄い」

「それより、モンゴ君に聞きたい事があったの。ねえ、ギゾクーズについてどう思う?」


おっ、向こうから本題を振ってきてくれたぜ。これはラッキーだな。だが、ルリと話すときは気を使っている。なぜなら、刑事くらいの洞察力があるからだ。俺はいつも悟られないように、嘘と真実を混ぜながら会話をしている。


そうしないと、なんでも暴かれてしまう気がするのだ。つまり、洞察力が高校生離れしているのだ。その理由はルリがテレビで取り上げられた事件があったからだ。それは1年前に遡る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ