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太陽の魔女  作者: 重山ローマ
プロローグ 太陽の魔女
9/80

後悔 ②

10


 逃げを選択するしかなかったのだ。

 そもそも彼女が、彼を救う必要なんて全くなかったのだから。

 守れなかったという結果は、彼女の消費した魔具を完全に無駄にしたということになる。


 彼女の立場を考えれば、そもそもたった一人を守るという行動は許されないものだ。

 地球という大きな存在を守る使命がある彼女が、そのためにだけ溜め込んできた魔具なのだ。

 例え何人を犠牲にしたとしても、星全ての命を守らなければならない彼女のためだというのなら仕方のないことなのだから。


 そもそも、守られるべきは彼女自身なのだから。


 彼女の死は、世界の死なのだから。


 そのことは彼女自身理解していることだ。

 だから彼女は、ここで彼を諦めるべきだった。

 世界そのものである彼女が、個を意識することは許されないのだ。


『絶対に、他と接触してはいけないわ』


 一人きりになった彼女はゆっくりと目を瞑る。

 忠告を守らなかったのは彼女自身だ。

 親代わりの姉を裏切ったのは彼女自身だ。


 後悔するように、姉との生活を思い返していた。

 魔女という逃げられない運命を受け入れるまで、つまり彼女が魔女になるまでのことを――思い返さずにはいられなかった。


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