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8.カキツバタ
目が覚めると、見慣れた天井があった。
ボーっとした頭のままゆっくり体を起こし、部屋の中を見渡した。ふと、机の上の紙が目に入る。
その紙を取り、書かれている文字を読む。
ーそういえば昨日、”発達障害”だと診断されたんだっけ・・・。
僕はその紙をポイッと床に投げ捨て、またベットに横になった。
今迄、とても楽しくて懐かしい夢を長い事見ていた気がする。これから頑張らないといけない、前に進まなくちゃいけない、そんな風に思わせる様な、そんな夢ー。
「・・・あれ?」
ポロポロと、涙が目から零れ落ちた。
何で僕は泣いているんだろう?何でこんなに切ないんだろうか?
僕は一体、どんな夢を見ていたんだっけ?
そう思いながら、僕は再び目を閉じた。