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リア充観察日記  作者: 菫
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第一話


第一章


ウ、ウム、なんだか緊張するのう。始めましてじゃ、ワシの名は…おぼえとらんからじいちゃんでよいぞ。ピッチピチの90歳…だったシャイで実に清らかな現役幽霊じゃ。幽霊というのはのう…赤子のように清らかじゃから誤解されやすいのじゃ。中でもワシのように真っ直ぐで無垢なものはめったにおらん。ここらでワシの素晴らしさを一日中でも語ることはできるのじゃが…残念じゃがこの物語の主役はワシではないのじゃ。幽霊というのはなぶっちゃけて言ってしまえば、ひまなのじゃ。やることがないのじゃ。もしばあさんがいたら一日中ずっとラブラブしているのじゃが。どうやら幽霊にもなれるものは限られているらしくてのう、ばあさんは極楽へいってしまうた。じゃからワシは考えた。ワシがこの世に留まっておるのはきっとまだやることがあるのじゃと。それはなにか?決まっておろう!世の現代の若者の恋や愛をニヤニヤしながら見…いや、応援するのじゃ!と、で、創ったのが、「リア充共を時には応援し、時には妨害する会」じゃ、ワシがつけた名ではないぞ。それにワシら幽霊は妨害できんからのう。時々特種な力をもの幽霊も生まれるが。あいにく、ワシは持っておらん。別にすねてなどおらんぞ。別に…。とにかく、ワシは会員ナンバー一番じゃ、いいじゃろ。そして今回のターゲッ…オホン応援するリア…若者達はーあの二人じゃ!

 

                             ☆  ☆


「先輩~ちゃっとダメっぷりがすごいんですけど~」

「え、だ、だってこれ難しいんだもん!」

「できてないの先輩だけですよ~?」

「う、だって…」

「いい訳見苦しいですね」

「グハッうう~」

「もう先輩やめた方がいいと思いますよ?これ以上はそのドレス血に染まる」

「ううっ」

ウム、状況を説明するとじゃな。ここはある公立の高校の演劇部という所じゃ。

華やかな衣装じゃ、かわいい女の子がたくさんおるのう。男はどうでもよい。その中で、二人の生徒がドレスを縫っておった。二人ともタイプは違うがかわいいのう。一人はショートカットの保護欲をかきたてられる大きな瞳の儚い美少女。一人はスタイル抜群で髪の長い冷たい美人さん。ところがのう、人は見た目ではわからんな。さっきから毒舌をはいていたのが守ってあげたくなる美少女。針をちくちく指にさしては涙を浮かべるのが美人さんじゃ。この二人、性格が反対だったらぜったいにモテモテじゃぞ。しかし、はて、ワシのリア…若者恋ヶセンサーはこの二人に反応したのじゃが。なぜ二人とも女…なんじゃとょ!?よく見ればあの美少女、男ではないか。ワシの純愛をもてあそびよって。許さんぞい!

「だって私も皆のお手伝いしたい!」

「はいはい無理ですね」

「ううっ」

「あ、じゃ美咲さんこちら」

「てめえはてめえに似合いのゴミ漁めでもしとけ!宇宙のゴミくずは俺の視界に入るなブタのくそ」

「ひいい!ごめんなさいいい!」

「ああ、だめだよ!そんなこといっちゃあ!」

「知りません。じゃ、続きやりますよ」

「え、もう!あとであやまるんだよ!?」

「へいへ~」

ウム、あの少年あわれじゃのう。怒りが消えてしまうた。しかし、この美少年、美人さんが好きなのではないか?

「ダメダメ、二人の時間邪魔したらね、神崎くん、すっごい不機嫌になるよ!」

「え、でも」

「暴言吐きまくってるけど好きだって一目でわかるでしょ?あれ神崎くん的好きな子いじめってやっよ、きっと」

「はあ、わかりました」

なるほどのう、ワシも若いころばあさんにずいぶんいじわるしたからのう。ふむふむ。

やはり今回のター…応援すべきリア…若者はこの二人じゃな!

「先輩…もらってくれる人いませんね」

(訳、俺がもらってやるよ)

「え!?そ、そんな」

「先輩…料理も裁縫も掃除も洗濯さえできませんよね」

(訳、全部俺がやってやるよ)

「がんばれば…」

「無理ですね」

(訳、俺んとこにくりやいいんだよ)

「うう…どうしよう」

「先輩、どうでもいいので速くやりましょう」

(訳、どうせ俺んとこにくるから心配いらねんだよ)

「は~い…」

若干元気のなくなる美咲をみて部員達は思ったのだろうな。

神崎こええ!でもかわいそう!

と。


    ☆              ☆                        ☆


おひつの時間じゃ。料理上手の子が持ってきてくれたそうじゃ。ええのう…

「ああの、私もおかし、つくったからよかったらみんなで食べて!」

と、美咲ちゃんが出したのは…黒いかたまり…?

「あ―あはは…私おなか痛くなっちゃった…」

「あ、私も!」

「俺も!」

「ぼ、ぼくも…」

おうおう、あっという間にがら―んとしてしもうたのう。

「じゃ、いただきます」

さすがじゃ、神崎くんよ!愡れた女子を悲しませない心がけ、あっぱれじゃ!

「ありがとう!どう、どう?」

「おいしいですよ。先輩にしては奇跡ですね」

「ほんと!?よかったあ」

うむ、じいはいま感動の涙を流しているぞい。あの黒い物体は正直ワシでも食うきにはならんだ…。ところでドアの外にいるものはなんじゃ?

「さすがね…千秋くん。あの魔王の供物を顔色一つ変えずに食べきるなんて…」

「はい、ぼく応援します!」

「ええ、じゃ千秋と美咲の恋を応援する会に入ってみない?私そこの会長なんだけど」

「そんなのがあるんですか…」

「おう、野々宮鈍いもんな」

「うん、美咲本当に鈍感だよね」

「あの神崎くんが笑顔を向けているのは、私一目でわかったのに…」

「だな、神崎あんなにアピールしているのにな…」

「ええ、さすがにあのにくたらしい男でもちょっと哀れだわ…」

ウム、沢山協力者がいて、なによりじゃ

「ていうかこの学校の人なら校長生徒先生全員知ってるじゃない?千秋くんと美咲ちゃん有名だし…」

「うん、俺神崎が男だって知ったときちょっと泣いた」

「まあ、美咲さんは二年前に入学してから女王様だし、神崎くんは入学当時はお姫さま…今は毒の花とか毒舌王子とか色々とみんな知ってるし…」

「ていうか野々宮女王、似合わね―」

「まあ見た目的にね、あの子踏んで下さいとか何回も言われてるらしいわ」

「うわ―」

だ、大丈夫かのう、応援者が多すぎても面白くないのじゃが…

まあよい。今日から楽しみができたのう。明日が待ち遠しいわい。



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