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春の訪れ  作者: 蒼流 聖
3/3

こいつは本当にっ……!!

まさか投稿初日で見ていただけるとは思っていませんでしたので、嬉しい限りです!

今回までの分が書き溜めしていた分ですので、これから鈍足ですが宜しくお願い致します!

今回新キャラ(端役?)登場です!




 キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン……



「ぜぇ……はぁ……何とか……間に合っ……たー……」

 本人曰く「誰にも見つからない場所」と言う廃工場の駐車場に自転車を隠し、ギリギリ本鈴5分前に教室の自席にへたり込んだ瑞樹は息を切らせながら呟いた。

「あんた……本当に良い性格してるわね……」

 と、有栖の呆れ顔でのキツい一言。

「んだよ~……。折角遅刻しない様にって乗っけてやったのに……」

「元はと言えば、瑞樹が寝坊したせいでしょ!?私はちゃんといつもの時間に起こしに行ったじゃない!」

 いつもの様に隣の席に座る幼馴染との朝のお説教タイムを過ごしていると、左斜め後ろに座るガリガリ体型のおかっぱ瓶底眼鏡男子がいつもどおり普通に有り得ないと思える過剰反応で話に無理矢理加わってきた。

「おい、周防!朝から夫婦喧嘩または夫婦漫才をするのは大いに結構……だが!!今の鞠内の一言にはキ・ニ・ナ・ル!部分を俺は聞き逃さなかったゾオオオオォォォォォォッッ!!!!」

 この絶叫とも悲鳴とも取れる騒音被害を振り撒きながら自席から立ち上がった、見た目とどう言う見方をしても不釣合いな脳筋(ノーキン)発言眼鏡男子は服部勇(はっとりいさむ)。―――ソコ。名前負けしてるとか言ってやらない……事実だから。―――全国の同学年で言えば、発言とは真逆に見た目どおりの学力トップクラスの優秀学籍(ガリベン)者で両親が物理学者と生物学者に2人居る兄も若いながら優秀な成績を遺憾なく周りに見せつけて博士号持ちになると言う学者に恵まれた様な家系でお金持ちのお坊ちゃま……なのだが、(あくまでも)本人曰く「俺の家系は忍者の一族で、祖先はあの服部半蔵なのだっ!」などとのたまった大変に色々と勿体無い奇人変人さんなのである。

 良い子の皆は周りのクラスメイトの様に決して触れない・近付かない事をオススメします♪

 有栖曰く「出来るならば、存在していた事自体をこの世から消したい」と言うくらいウザいらしい。

 瑞樹自体は発言すらも許容しているのだが……と言うより、数少ない友人だと思っている。

「何よ猿人類のメガネザルッ!視力が落ちるから話しかけないでっ!って言うか、夫婦喧嘩でもましてや夫婦漫才なんて全く一切してないわよ!」

 ……前半部……軽く罵倒をした上に、さらに彼を新種のウィルスか何かに例えるのか……と瑞樹は勇を哀れに思うが、毎日の事なので何も言わない。

 そして、本人も気にしていない様子だった。

「何を言うか周防のツンデレ幼馴染がっ!!」

「!?……ッツ……ツンデレじゃないしっ!」

「ならば何故、毎朝毎朝甲斐甲斐しく周防を起こしにわざわざ周防宅まで通っているのだ!!」

「それは……!……そっ……そう!瑞樹は昔からネボスケだし、家も近いから何回かやってあげたらおば様にも頼まれたから仕方がなくよっ!」

 これは事実である。

 瑞樹は幼少期から、睡眠を取ると何もなければ最大1日は寝たままになる事すらもたまにあった。

「ほほぅ……幼き頃から親公認の通い妻だった訳なのだな……?」

 瑞樹はこの時、このおかっぱ瓶底眼鏡の脳筋ガリガリ男が悪い笑みを浮かべた様に見えた。

「誰が妻だっ!?あたしとこいつはただの幼馴染なだけよっ!あんたの勝手な妄想であたしを巻き込まないでよねっ!?」

「ならば、周防に恋人が出来ても良い。と、言うことなのだな?」

「かっ……勝手に作れば良いじゃないっ!」

「らしいぞ周防?残念だったな。」

 話をあらぬ方向に持って行っておきながら、最後には瑞樹に丸投げ。

 これがいつもながらなだけあり、瑞樹ももう慣れたと言う動作で返答する。

「らしいね。ま、朝の件に関しては有栖に感謝してるけど、有栖が言う様に幼馴染ではあるけど流石に恋人とかはないだろ。」

 瑞樹の言葉で、有栖が一瞬肩を震わせる。

「そっ……そうね。あっ、あたしだって、あんたみたいなノロマを彼氏だとか思う事すらないわよ。」

「だってさ?ま、この件に関してはもう良いだろ。それで服部、気になるとこって何だよ?」

「ん?俺が気になったのは今の件だけだ。周防と鞠内が一緒に登校する姿は度々見ていたが、まさか毎朝通い妻としておはようのチューをしに行ってたとは思わなかったのでな!」

「「何でそうなるっっ!?」」

「おぉぅ……流石夫婦だ……阿吽(あうん)の呼吸をその歳でもうマスターしていたのか……っ!!」

「ちっがうわよっ!!何でさっきの話からそんな事まであんたの妄想は膨れ上がってるのかって話よ!」

「ん?違うのか?」

「あったりまえでしょうがっ!」

「ふむ……てっきり俺としては鞠内はそうしたくて通っているのだと思っていたのだが……違うのか?」

「ふざけるのも大概にしてよっ!?…………っそ、そりゃぁ瑞樹がどうしても……(ボソボソ……」

「ん?俺がどうしても……何だよ?」

「っ!?しっ知らないっ!!」

 バッチーン!!

「~~~っっ!!……って、何で叩かれてんの?俺……?」

「フンっ!」

「周防……哀れよのう……」

 問題発言と言う爆弾を投下した当事者が言う台詞では絶対にない。と言う思考は、ある種の問題児=服部だからこそ有栖とクラスメイト達の心の中の宝石箱の隣にひっそりとあるゴミ箱の中に丸めてダンクシュートする勢いで颯爽と記憶から抹消(封印?)されてしまうのであった。



 キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン……


はてさて……勇君には困った物です……

次回も新キャラ(今度はちゃんとしてるよっ!)登場予定です。

その子が主人公の安穏とした生活を打ち崩すっ!(予定)

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